未来予測反省会「日本のクマは絶滅する」なぜ予測が外れた?1991年から現在までを整理【10月13日】|10/13 23:00
10月13日(火)23時からNHK総合で放送される「未来予測反省会」は、「日本のクマは絶滅する」を取り上げる回です。1991年にはヒグマの衰退や絶滅が懸念されていた一方、30年以上が過ぎた現在はクマの分布拡大や人里への出没、人身被害が大きな問題になっています。
今回のポイントは、単に「昔の予測が外れた」と振り返ることではありません。なぜ当時は絶滅が現実的な危機として語られ、その後は逆に人との距離が近づく状況になったのかを、保護政策や社会の変化、野生動物管理の視点からたどる内容です。
未来予測反省会10月13日の放送日時と出演者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月13日(火)23:00〜23:29 |
| 放送局 | NHK総合1・東京 |
| サブタイトル | 選「日本のクマは絶滅する」 |
| 司会 | 影山優佳 |
| 出演 | 長谷川忍、間野勉、大井徹、森光由樹 |
| 声 | 立川志の春 |
| 語り | 小坂由里子 |
番組表では、1991年の未来予測としてヒグマの衰退・絶滅が起きる可能性が示されていたことを起点に、「根絶」から「保護」へと大きく振れた歴史、クマが増えた背景にある日本社会の変化、科学的・論理的なクマ対策の最前線を扱うと案内されています。
この回は2025年10月28日に放送された内容の選放送です。初回放送時の内容記録でも、当時の予測を行った間野勉さんと、大井徹さん、森光由樹さんが専門家として参加し、クマの減少が懸念された時代から現在までを検証しています。
「日本のクマは絶滅する」と予測されたのはなぜ?
番組で振り返る1991年の予測は、当時のヒグマを取り巻く状況を背景にしたものです。初回放送の記録では、1960年代以降に北海道でクマの個体数が減っており、1980年代になってその減少が認識されるようになったことが紹介されています。
1991年には、絶滅のおそれのある野生生物をまとめたレッドデータブックでも、日本各地のクマが危機にある存在として扱われていました。そのため「このままのやり方が続けば衰退・絶滅が起きる」という予測は、当時としては現実のデータや管理状況を踏まえた警告だったと考えられます。
予測した間野勉さんはどんな研究者?
間野勉さんは長年、ヒグマの生態や保護管理を研究してきた研究者です。北海道のヒグマ個体群のモニタリング体制づくりや保護管理計画の基礎に関わってきた経歴があり、今回の番組では「当時の予測をした側」として振り返りに参加します。
未来予測を後から笑うのではなく、その時点で何が見えていて、何がその後に変化したのかを検証するのが「未来予測反省会」の特徴です。今回も、予測そのものと現実の変化を切り分けて考えることが重要になりそうです。
なぜクマは絶滅どころか分布を広げたの?
環境省が公表した生息分布調査では、クマ類の生息分布情報が得られた5kmメッシュは、以前の調査時の6,735メッシュから9,358メッシュへ増えています。環境省は、この変化について全国で生息分布情報が得られたメッシュ数が約39%増えたと説明しています。
特に中国地方や近畿地方では分布の拡大が目立ちました。ただし環境省は、この数字がそのまま全国の個体数増加を意味するわけではなく、一時的な出没情報を含む可能性がある点にも注意を求めています。
番組が注目するのは、こうした分布の変化と人間社会の変化が重なった点です。山間部の人口減少、里山利用の変化、農地や集落周辺の環境変化などによって、人と野生動物の境界が以前と同じではなくなっています。
そのため「クマが山から突然出てきた」という単純な図式ではなく、クマの生息域、人の生活圏、土地利用、保護と捕獲の方針を合わせて見なければ、現在の出没増加は理解しにくい問題です。
クマの人身被害は現在どうなっている?
環境省はクマの出没情報、人身被害件数、捕獲数を継続的に集計しています。2026年度についても速報値が更新されており、クマによる人への被害は今も全国的な課題です。
また、環境省の資料では2025年度にクマによる人身被害が深刻化し、出没情報や被害者数が高い水準に達したことが示されています。こうした状況を受けて、生活圏に出たクマへの対応や個体数管理、捕獲体制の整備などが進められてきました。
番組のタイトルだけを見ると「絶滅予測が外れて、むしろ増えた」という意外性が目立ちますが、現在の問題は単なる個体数の多い少ないではありません。どこに分布し、どのくらい人の生活圏と重なり、どのように被害を減らすかが重要な論点になっています。
出演するクマ研究の専門家3人
大井徹さん
大井徹さんは石川県立大学の特任教授・名誉教授で、動物生態学や野生動物管理学を専門としています。大学の教員情報では、森林総合研究所の野生動物研究領域長などを務めた経歴が紹介されています。
野生動物の保護だけでなく、人間の生活や農林業への影響も含めて管理する視点を持つ専門家です。番組では、クマを「守るか、減らすか」の二択にせず、科学的な管理をどう考えるかという部分で重要な役割を担います。
森光由樹さん
森光由樹さんは兵庫県立大学自然・環境科学研究所の准教授で、森林動物研究部門に所属しています。同研究所では、野生動物の生息状況や被害状況のモニタリング、科学的データに基づく管理・対策の研究を行っています。
森光さんの専門は野生動物医学で、個体群の健全性診断や保全対策などを研究しています。番組表では、科学的・論理的なクマ対策の最前線も取り上げるとされており、現場のデータと対策をつなぐ解説が注目されます。
間野勉さん
間野勉さんはヒグマ研究と保護管理に長く携わってきた研究者です。今回の回では、1991年の予測そのものに関わった人物として登場します。
予測が結果的に外れたという点だけではなく、当時どのような危機感があり、その後に何が変わったのかを本人の視点から聞けることが、この回ならではの見どころです。
「根絶」から「保護」へ、そして管理へ
クマをめぐる日本の対応は、時代によって大きく変わってきました。被害を減らすために排除を強めた時期がある一方で、個体数減少が問題になると保護が重視されるようになりました。
しかし、現在は保護だけでも捕獲だけでも解決しにくい状況です。環境省はクマ類を対象に、分布や個体数の把握、被害防止、捕獲、人材育成などを組み合わせた管理を進めています。
番組が問いかける「クマと日本人が共生する未来」とは、人里にクマが頻繁に現れる状態をそのまま受け入れることではありません。人の安全を確保しながら、生息状況を科学的に把握し、地域ごとに適切な距離をつくることが現実的な課題です。
前回の未来予測反省会は何を扱った?
「未来予測反省会」は、過去に描かれた未来像を現在の視点から検証する番組です。10月6日放送では、東京湾に500万人規模の人工島を造るという「ネオ・トウキョウ・プラン」を取り上げました。
巨大な構想がなぜ実現しなかったのか、当時の社会背景や技術、現在まで残った発想を振り返る内容で、今回のクマ回と同じく「予測が当たった・外れた」だけではなく、時代がどの方向へ動いたのかを考える構成です。
前回の詳しい内容は、未来予測反省会10月6日「ネオ・トウキョウ・プラン」記事で紹介しています。
また、レギュラー出演の長谷川忍さんについては、シソンヌのプロフィール記事で、じろうさんとのコンビ歴やプロフィールをまとめています。
10月13日放送で注目したいポイント
今回まず押さえておきたいのは、1991年の「絶滅予測」が、根拠のない大げさな話ではなかったことです。当時は実際に減少が問題視され、保護へ政策を転換する必要がありました。
その後、保護や管理の考え方が変わる一方、日本の山間地域や里山を取り巻く社会環境も変化しました。結果として、現在はクマの分布域が人の生活圏に近づき、別の形の問題が表面化しています。
「昔は減らしすぎ、今は増えすぎ」という単純な振り子として見るのではなく、変化する生息状況に合わせて管理方針も更新し続けなければならない。その難しさまで含めて見ると、30年以上前の予測を振り返る意味がより分かりやすくなります。
参考にした情報
- Gガイド「未来予測反省会 選『日本のクマは絶滅する』」
- 環境省「クマに関する各種情報・取組」
- 環境省「クマ類、カモシカの生息分布調査の結果について」
- 石川県立大学「大井徹 教員情報」
- 兵庫県立大学 自然・環境科学研究所「森林動物研究部門」
- TVでた蔵「未来予測反省会 2025年10月28日放送内容」
よくある質問
未来予測反省会「日本のクマは絶滅する」はいつ放送ですか?
2026年10月13日(火)23:00〜23:29にNHK総合で放送予定です。2025年10月28日に放送された回の選放送です。
1991年には本当にクマの絶滅が心配されていたのですか?
はい。番組では当時、ヒグマの衰退や絶滅が起こる可能性が予測されていたことを取り上げます。環境省の過去の分布調査でも、その後にクマ類の分布情報が広がったことが確認されています。
出演する専門家は誰ですか?
ヒグマ研究者の間野勉さん、石川県立大学の大井徹さん、兵庫県立大学の森光由樹さんが出演します。司会は影山優佳さん、出演は長谷川忍さんです。
まとめ
10月13日の「未来予測反省会 選『日本のクマは絶滅する』」は、1991年に絶滅が懸念されたクマが、なぜ30年以上後の日本で人里への出没や被害増加という別の問題を抱えるようになったのかを振り返る回です。
環境省の調査ではクマ類の分布情報が広がっていることが確認されており、現在は保護だけでなく、人の安全を守るための科学的な管理も重要になっています。過去の予測と現在の現実を並べることで、野生動物との距離をどう設計するのかを考えられる内容です。クマ問題を一時点だけで判断せず、長い時間軸で捉え直せる回になっています。

