カラヤン「ブラームス交響曲全集(2)」曲目は第3番・第4番|1973年ベルリン・フィル映像の見どころ|10/30 13:00
「いまよみがえる伝説の名演奏 カラヤン ブラームス交響曲全集(2)」は、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるブラームスの交響曲第3番と第4番をまとめて味わえる音楽番組です。
今回の映像は1973年にベルリンのフィルハーモニーで収録されたもので、歴史的なネガフィルムから8K映像と22.2マルチチャンネル音響へよみがえらせた企画として紹介されています。
前編の「ブラームス交響曲全集(1)」では第1番と第2番が中心でした。後編となる今回は、より凝縮された第3番と、重厚な終楽章へ向かう第4番を続けて聴けるのがポイントです。
放送情報と出演者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月30日(金)13:00〜 |
| 放送局 | NHK BS8K |
| 番組 | いまよみがえる伝説の名演奏 カラヤン ブラームス交響曲全集(2) |
| 指揮 | ヘルベルト・フォン・カラヤン |
| 管弦楽 | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 |
| 曲目 | ブラームス 交響曲第3番 ヘ長調 作品90/交響曲第4番 ホ短調 作品98 |
| 収録 | 1973年 ベルリン・フィルハーモニー |
| 制作 | ドイツ・ユニテル社 |
NHK公式ページは今回こちらから本文を開けなかったため、放送日時については提供された番組情報を基準にしています。
一方、GガイドやJ:COMテレビ番組表では「ブラームス交響曲全集(2)」の曲目が交響曲第3番と第4番、出演がカラヤンとベルリン・フィル、収録が1973年のベルリン・フィルハーモニーと確認できます。
「ブラームス交響曲全集(2)」の曲目は?
今回演奏されるのは、ブラームスの4つの交響曲のうち後半にあたる第3番 ヘ長調 作品90と第4番 ホ短調 作品98です。
前編の第1番・第2番とあわせると、ブラームスの交響曲全4曲をカラヤンとベルリン・フィルの同時代の映像でたどる形になります。第1番・第2番の内容は、既存のカラヤン「ブラームス交響曲全集(1)」曲目・見どころ記事でまとめています。
交響曲第3番 ヘ長調 作品90
第3番は、ブラームスの4つの交響曲の中でも比較的コンパクトで、4楽章を通して密度の高い作品です。
UNITEL公式では、カラヤン指揮ベルリン・フィルによるこの第3番が1973年にベルリン・フィルハーモニーでライブ収録された映像とされています。映像監督もカラヤン自身で、作品の演奏だけでなく、映像作品としてどう見せるかにも彼の意図が入った記録です。
第1楽章は力強い開始から一気に進みますが、単純に勇壮なだけではなく、緊張と柔らかさが交互に現れます。カラヤンとベルリン・フィルの厚みのある弦、まとまりのよい管楽器の響きに注目すると、この時代の特徴が分かりやすくなります。
第3楽章の旋律は特に聴きどころ
第3番で広く親しまれているのが、第3楽章のPoco allegrettoです。
哀感を帯びた旋律がゆっくりと流れ、派手なクライマックスではなく、抑えた感情の中で深い印象を残します。映像で見ると、弦楽器の受け渡しやカラヤンの抑制された指揮が、音だけで聴くときとは違う形で見えてきます。
第3番は終楽章も力任せに終わらず、緊張が静かに解けていくような独特の閉じ方をします。第4番の厳格な終結と続けて見ると、二つの交響曲の性格の違いが際立ちます。
交響曲第4番 ホ短調 作品98の見どころ
第4番はブラームス最後の交響曲で、古典的な形式感と強い情感が結びついた作品です。
UNITEL公式によると、カラヤンとベルリン・フィルの第4番も1973年のベルリン・フィルハーモニーで収録されました。映像の長さは約42分と案内されており、第3番から続けて見ることで、ブラームス晩年の交響曲世界へ深く入っていけます。
第1楽章は冒頭から“歌”が続く
第1楽章は、弦による下降と上昇を繰り返すような旋律から始まります。
旋律自体は滑らかですが、その後ろで和声やリズムが少しずつ緊張を高めます。カラヤンの演奏では、個々のフレーズをばらばらにせず、大きな流れとして聞かせるところが注目点です。
第2楽章は重厚さと温かさの対比
第2楽章は落ち着いたテンポの中で、管楽器と弦が色彩を変えながら進みます。
ベルリン・フィルの響きは重厚ですが、音量だけで押すのではなく、弱音から豊かな響きを作る場面にも耳を向けたいところです。8K映像では、各セクションの動きや奏者同士の呼吸が見えやすくなるため、音の重なり方を視覚でも追えます。
第4楽章のパッサカリアが最大の山場
第4番の終楽章は、反復される低音型を土台に変奏を積み重ねるパッサカリアが中心です。
同じ骨格を保ちながら表情が次々と変化し、最後は強い緊張を保ったまま終結へ向かいます。STAGE+の1973年映像紹介でも、ブラームスの第4番が情熱的な作品で、終楽章が力強いパッサカリアに到達することが説明されています。
第3番が静かな余韻を残して終わるのに対し、第4番は厳しい集中のまま閉じます。番組を続けて見ると、同じ作曲家の連続する二つの交響曲が、まったく違う終わり方を持つことがよく分かります。
1973年のカラヤンとベルリン・フィルはどんな時代?
ベルリン・フィル公式は、カラヤンとオーケストラの1970年代を、両者が非常に高い水準で音楽を作っていた「黄金期」と位置づけています。
カラヤンは1955年からベルリン・フィルの首席指揮者として長く関係を築き、1970年代には演奏だけでなく、映像や録音を通じてクラシック音楽を広く届けることにも積極的でした。
音を“作品全体”としてまとめるカラヤン
ベルリン・フィル公式の1970年代回顧では、当時の演奏について、より均質で輝きのあるオーケストラの響きが特徴として語られています。
同時に、単に美しい音を並べるのではなく、一つ一つの音が全体の構成やドラマを支えるように作られていたとも説明されています。ブラームスのように長い流れの中で緊張を作る作品では、この特徴が特に分かりやすく出ます。
映像制作にも力を入れた時代
ベルリン・フィル公式は、カラヤンが1960年代からベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキーなど主要な交響曲レパートリーのオーディオビジュアル記録を進めていたことを紹介しています。
今回のブラームス映像も、その流れの中にある重要な記録です。コンサートをその場で撮った記録というだけでなく、後世に残す映像作品として設計されている点が、現在の8Kリマスター企画につながっています。
8K・22.2マルチチャンネルで見る意味
番組紹介では、歴史的な名演を収めたネガフィルムがドイツで冷凍保存されていたこと、そこから8K映像と22.2マルチチャンネル音響へリマスターしたことが大きな特徴として示されています。
クラシックの映像では、顔のアップだけでなく、弓の動き、管楽器の受け渡し、指揮者と各セクションの距離感など、細かな情報が演奏理解につながります。
弦楽器の一体感が見えやすい
カラヤン時代のベルリン・フィルは、弦楽器群が大きな一つの塊として動くような響きが魅力の一つです。
高精細映像では、同じフレーズを多数の奏者がどのようにそろえて弾いているのかを確認しやすくなります。第4番のように内声が厚い作品では、主旋律以外の動きにも目を向けると、音楽の立体感が分かりやすくなります。
カラヤンの指揮姿も見どころ
カラヤンは大きく分かりやすい拍を常に示すタイプではなく、音楽の流れを身体全体で示す指揮が印象的です。
ベルリン・フィル公式の回顧では、演奏会では目を閉じて指揮することが多く、リハーサルとは違う形でオーケストラに自由を与えていたという団員の証言も紹介されています。映像作品では、その独特の指揮姿と奏者の反応を同時に見られます。
前回「全集(1)」との違い
前編の「ブラームス交響曲全集(1)」では、交響曲第1番 ハ短調 作品68と交響曲第2番 ニ長調 作品73が取り上げられました。
第1番はブラームスが長い時間をかけて完成させた重厚な作品で、第2番はより明るく牧歌的な印象を持つ場面があります。それに対して今回の第3番・第4番は、構成が凝縮され、成熟期のブラームスらしい緊密さが前面に出ます。
4曲を通して見ると変化が分かる
第1番から第4番までを順番に追うと、ブラームスがベートーヴェン以後の交響曲という重い伝統をどう受け止め、自分の言葉へ変えていったのかが見えてきます。
前半2曲と後半2曲では、単純に明暗を分けることはできません。それでも、第3番の凝縮感と第4番の厳しい構築性は、シリーズ後半ならではの魅力です。
こんなところに注目すると番組を楽しみやすい
初めてブラームスの交響曲を見る場合は、すべての主題を覚えようとする必要はありません。
まずは第3番の第3楽章、第4番の第1楽章冒頭、そして第4番終楽章のパッサカリアという三つを意識すると、番組の流れをつかみやすくなります。
第3番と第4番の“終わり方”を比べる
特に分かりやすいのが、二曲の終結の違いです。
第3番は激しい場面を経たあと、静かな余韻の中で閉じます。一方、第4番は最後まで強い緊張を維持し、妥協しないような響きで終わります。この対比だけでも、2曲を続けて放送する意味が見えてきます。
オーケストラの配置と音色にも注目
高精細映像では、どの楽器が旋律を引き継いでいるのか、どのセクションが内側から響きを支えているのかを視覚的に追えます。
音だけでは気づきにくい木管楽器の受け渡しや、弦の内声の動きを見つけると、ブラームスの緻密な書法がより身近に感じられます。
参考にした情報
- Gガイド「いまよみがえる伝説の名演奏・名舞台 カラヤン ブラームス交響曲全集」
- J:COMテレビ番組表「カラヤン ブラームス交響曲全集」
- UNITEL「Brahms, Symphony No. 3 in F major, Op. 90」
- UNITEL「Brahms, Symphony No. 4 in E minor, Op. 98」
- Berliner Philharmoniker「At the height of their powers」
よくある質問
「ブラームス交響曲全集(2)」の曲目は何ですか?
交響曲第3番 ヘ長調 作品90と交響曲第4番 ホ短調 作品98です。どちらもカラヤン指揮ベルリン・フィルによる1973年の映像です。
出演者は誰ですか?
指揮はヘルベルト・フォン・カラヤン、管弦楽はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団です。
収録されたのはいつですか?
UNITEL公式では、第3番と第4番はいずれも1973年、ベルリン・フィルハーモニーで収録された映像と確認できます。
まとめ
「カラヤン ブラームス交響曲全集(2)」の中心は、交響曲第3番 ヘ長調 作品90と交響曲第4番 ホ短調 作品98です。1973年のベルリン・フィルハーモニーで、カラヤンとベルリン・フィルが残した映像が高精細な8K企画としてよみがえります。
第3番の凝縮された抒情性と、第4番の厳格で力強い終楽章を続けて聴けるのが大きな魅力です。前編の第1番・第2番とあわせて見ると、ブラームスの4つの交響曲それぞれの性格と、1970年代のカラヤン/ベルリン・フィルの響きの違いがよりはっきり感じられます。

