N響演奏会 第2039回定期公演の曲目と聴きどころ|アヴデーエワとメナのロシア・プログラム|10/20 11:00
2026年10月20日(火)午前11時から、NHK BS8Kで「N響演奏会 第2039回定期公演」が放送されます。中心となるのは、ピアノのユリアンナ・アヴデーエワを迎えたラフマニノフと、フアンホ・メナが指揮するチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」です。
演奏されるのは、リムスキー・コルサコフの歌劇「5月の夜」序曲、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」、チャイコフスキーの交響曲第6番。ロシアの作曲家による3作品を続けて聴けるプログラムです。
N響演奏会 第2039回定期公演の放送日時と曲目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月20日(火)11:00〜12:35 |
| 放送局 | NHK BS8K |
| 指揮 | フアンホ・メナ |
| ピアノ | ユリアンナ・アヴデーエワ |
| 収録 | 2025年6月7日、NHKホール |
| 曲目 | リムスキー・コルサコフ「5月の夜」序曲/ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」作品43/チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」 |
N響の公式放送予定では、10月20日のBS8K放送と上記の演奏者・曲目が案内されています。これは生放送のコンサートではなく、2025年6月7日にNHKホールで収録された公演です。
3作品をどの順番で聴く?
プログラムは、リムスキー・コルサコフの華やかな序曲から始まり、アヴデーエワのピアノが活躍するラフマニノフを経て、チャイコフスキーの大規模な交響曲で締めくくられます。短い序曲、独奏ピアノとオーケストラの掛け合い、4楽章の交響曲と、作品ごとに音楽の形が変わるのが特徴です。
公演ページに掲載された解説では、「5月の夜」序曲は約8分、「パガニーニの主題による狂詩曲」は約24分、「悲愴」は約50分と紹介されています。とくに後半の2作品は、旋律の美しさだけでなく、主題が変化していく過程や、楽器同士の受け渡しにも注目すると流れをつかみやすくなります。
リムスキー・コルサコフ「5月の夜」序曲の聴きどころ
最初の曲は、ニコライ・リムスキー・コルサコフが作曲した歌劇「5月の夜」の序曲です。作品は1879年に作曲され、歌劇は翌1880年に初演されました。ニコライ・ゴーゴリの物語をもとに、村の恋愛模様や水の精ルサルカなどが描かれます。
N響の公演解説によると、序曲はホルンによる序奏で始まり、その後、細かな音符が勢いよく動く主部へ進みます。音の粒が次々に受け渡されるところや、ロシア風の旋律が繰り返される場面を意識すると、短い時間のなかで曲の表情が移り変わる様子を味わえます。
終盤ではホルンのアンサンブルが見せ場になります。オーケストラ全体の響きが広がる場面と、細かな旋律が動き回る場面の対比を聴き分けると、序曲らしい華やかさがより伝わってきます。最初の一曲なので、楽器の音色がどう重なっていくかをつかむ入口にもなりそうです。
ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」は何が魅力?
2曲目は、セルゲイ・ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」作品43です。1934年に作曲された、ピアノ独奏とオーケストラのための変奏曲で、バイオリン奏者ニコロ・パガニーニの「24の奇想曲」終曲の主題をもとに、さまざまな形へ変化させていきます。
全体は序奏と24の変奏から成り、ピアノの技巧が鮮やかに表れる一方、オーケストラの木管楽器にも耳を傾けたい作品です。旋律をピアノが引き受ける場面だけでなく、ファゴットなどの木管が前に出る箇所、ピアノと管弦楽がリズムを交わす箇所を追うと、独奏協奏曲とはまた違う音の組み合わせが見えてきます。
特に有名なのが第18変奏です。原曲の主題の音程を反対向きに扱うことで、もとの旋律とは印象の異なる、息の長い美しい旋律が生まれます。技巧的な変奏が続くなかで、ここでは時間がゆるやかに流れるように感じられるかもしれません。曲全体のなかでこの旋律がどのように現れるか、前後の変化と合わせて聴くのがおすすめです。
また、第7変奏からは「怒りの日」と呼ばれる旋律も登場します。ラフマニノフ作品でたびたび用いられるこの旋律が、パガニーニの主題とどのように重なっていくかも聴きどころです。華やかなピアノの見せ場だけでなく、作品のなかに織り込まれた別の旋律を探す楽しさがあります。
ピアノのユリアンナ・アヴデーエワはどんな演奏家?
ユリアンナ・アヴデーエワは1985年にモスクワで生まれ、2010年のショパン国際ピアノコンクールで優勝したピアニストです。N響の公演ページでは、確かな構成力と細やかな情感、そして演奏技巧の鮮やかさをあわせ持つ演奏家として紹介されています。
ラフマニノフの狂詩曲は、ピアノが華麗に動く場面と、オーケストラと一体になって旋律を歌う場面の両方があります。アヴデーエワの演奏を聴くときは、速いパッセージの正確さだけではなく、第18変奏のような旋律をどのように歌い上げるかにも注目したいところです。
ピアノ独奏だけを追いかけるのではなく、ピアノが休んでいる間にオーケストラがどんな音色で主題を引き継ぐかを聴くと、作品の構造がつかみやすくなります。ひとつの主題が形を変えながら戻ってくるので、同じ旋律が違う表情を見せる面白さも感じられます。
チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」の聴きどころ
最後に演奏されるのは、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーの交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」です。1893年に完成した作品で、作曲家が生涯最後に完成させた交響曲として知られています。初演は同年10月にチャイコフスキー自身の指揮で行われ、その数日後に作曲家が亡くなったことから、作品と死を結びつけた解釈が語られることもあります。
ただし、N響の公演解説は、最晩年の作品を「死の予感」と結びつけて説明することには慎重な視点も示しています。「悲愴」という題名や作曲家の死後に生まれたイメージだけで決めつけず、実際の音楽の流れに耳を傾けると、作品の幅広い表情が見えてきます。
第1楽章はコントラバスとファゴットの低音から始まり、弦楽器が示す主題と、甘美な第2主題が対照を作ります。性格の異なる旋律がどのように入れ替わるかを追うと、長い楽章の流れをつかみやすくなります。
第2楽章は有名な5拍子の舞曲風の楽章です。拍子を数えながら聴くと、一般的なワルツのような3拍子とは違う揺れを感じられますが、旋律そのものは自然に流れるため、数を意識せずに聴いても楽しめます。リズムが独特でありながら、ぎこちなさよりも軽やかさが前に出る点も魅力です。
第3楽章は勢いのある行進曲風の音楽で、オーケストラの響きが力強く広がります。華やかな響きと細やかに組み立てられた構成が重なり、前の楽章とは異なる推進力を生み出します。
そして第4楽章は、ゆっくりとした「アダージョ・ラメントーソ」で始まり、静けさのなかに張りつめた感情が続きます。弦楽器の旋律は第1バイオリンと第2バイオリンの間で受け渡され、揺れるような響きを作ります。終楽章を華やかなフィナーレとして終えるのではなく、音楽が沈み込むように終わる構成は、この交響曲の大きな特徴です。
全4楽章の対比を意識すると、単に暗い作品というだけではなく、歌うような旋律、舞曲のリズム、行進曲の力強さ、そして最後の静けさが組み合わさっていることがわかります。終楽章では音量の変化だけでなく、弦楽器の旋律がどのように受け渡されるかにも注目してみてください。
指揮者フアンホ・メナとN響の共演
指揮を務めるフアンホ・メナはスペインのバスク地方出身で、ヨーロッパや北米の主要オーケストラに客演してきた指揮者です。N響の公演ページによると、過去にもN響の舞台に登場しており、今回の第2039回定期公演ではラフマニノフとチャイコフスキーを組み合わせたロシア作品のプログラムを指揮しました。
このプログラムでは、序曲の細やかな動き、ラフマニノフの変奏における独奏とオーケストラの対話、チャイコフスキーの交響曲の大きな構成と、指揮者が作品ごとの違いをどう描き分けるかも聴きどころになります。3曲を続けて聴くことで、ロシア音楽の色彩や旋律の作り方の違いを比べられます。
前回(10月16日放送)の内容と関連情報
同じ第2039回定期公演は、NHK交響楽団の放送予定で10月16日にもBS8K放送として案内されていました。今回の10月20日放送も、2025年6月7日にNHKホールで収録された同じ公演です。
演奏会の会場やアクセスを確認したい場合は、第2039回定期公演のNHKホール案内も参考になります。今回の記事では会場案内ではなく、演奏される3作品の背景と聴きどころを中心にまとめました。
参考にした情報
よくある質問
10月20日の放送は何時からですか?
2026年10月20日(火)午前11時からNHK BS8Kで放送予定です。番組表上の終了時刻は12時35分です。
第2039回定期公演の曲目は何ですか?
リムスキー・コルサコフ「5月の夜」序曲、ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」作品43、チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」の3作品です。
ピアノを演奏するのは誰ですか?
ショパン国際ピアノコンクールで2010年に優勝したユリアンナ・アヴデーエワです。ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」でソリストを務めます。
まとめ
10月20日放送の「N響演奏会 第2039回定期公演」は、リムスキー・コルサコフ、ラフマニノフ、チャイコフスキーの作品を通して、ロシア音楽の華やかさと深い情感を味わえるプログラムです。アヴデーエワのピアノが主題を変奏していくラフマニノフと、静かな終楽章へ向かうチャイコフスキー「悲愴」を続けて聴くことで、それぞれの作品の個性がより鮮明に感じられます。

