英雄たちの選択 夏目漱石はなぜ「国家より個人」を説いた?学習院講演と明治への批判を整理|9/28|9/28 21:00
2026年9月28日21時からNHK BSで放送される『英雄たちの選択 選 国家か?個人か? ~夏目漱石 「明治」との戦い~』では、文豪・夏目漱石が「国家」と「個人」のどちらを重んじるのかという重い問いに向き合った時代をたどります。
今回のポイントは、小説家としての漱石だけでなく、英国留学や日露戦争後の社会変化を経験した思想家としての側面です。学習院での講演依頼を前に、漱石がなぜ「国家より個人」を意識したのかを知ると、『吾輩は猫である』や後年の「自己本位」という言葉も違って見えてきます。
『英雄たちの選択』夏目漱石回の放送日時・出演者
| 放送 | 2026年9月28日(月)21:00~22:00 |
| 放送局 | NHK BS |
| テーマ | 国家か?個人か? ~夏目漱石「明治」との戦い~ |
| 司会 | 磯田道史、浅田春奈 |
| 出演 | 高橋源一郎、小森陽一 |
| 語り | 松重豊 |
NHKの公式配信ページでは、この回は2026年3月9日に放送された内容として掲載されており、9月28日は「選」としての放送です。番組は、漱石が大和魂を呼号する風潮を風刺し、英国留学を経て「国より個人優先」へ傾いていく過程を軸に構成されています。
夏目漱石はなぜ「国家より個人」を重視したのか
番組が注目する出発点は、漱石の英国留学です。国家の制度によって派遣された留学生でありながら、現地で西洋社会の現実や文学研究の難しさに直面し、外から与えられた価値観ではなく、自分自身で判断する必要性を強く意識するようになりました。
後に漱石が語った「自己本位」は、単なるわがままという意味ではありません。他人や世間の尺度に寄りかかるのではなく、自分の立脚点を持って考える態度を指す言葉として理解できます。今回の放送では、この姿勢が「国家」という大きな枠組みと衝突し得る場面が描かれます。
日露戦争後の国家主義と『吾輩は猫である』の風刺
漱石が『吾輩は猫である』を書き始めたのは日露戦争の時期と重なります。戦勝を背景に国威発揚の空気が強まる一方、作品では「大和魂」といった言葉を無条件に持ち上げる風潮を皮肉に描く場面があります。
番組では、日露戦争後に国家主義が強まり、さらに大逆事件へ至る社会の緊張を背景として扱います。漱石の文明批評は、単に西洋を嫌ったのではなく、西洋化を急いだ日本が表面的な制度や文化だけを取り入れ、自分たちなりの内面的な成熟を欠いていないかという問題提起でした。
学習院講演で漱石が迫られた「選択」とは
上流階級の子弟が多く学ぶ学習院から講演を依頼されたことは、漱石にとって象徴的な場面です。国家を支える側に近い若者たちを前に、自分が培ってきた「個人」を重視する考え方をどこまで語るのか。番組タイトルの「国家か?個人か?」は、この講演をめぐる葛藤を端的に示しています。
ここで重要なのは、国家を全面否定するか個人を無条件に優先するかという二択に単純化しないことです。漱石は社会の中で生きる個人が、権威や時代の空気に流されず、自分で考える基準を持つことを重視しました。その緊張関係を歴史の具体的な場面から検討するのが今回の見どころです。
出演者の視点にも注目|高橋源一郎・小森陽一
出演する高橋源一郎さんは作家として近代文学や社会をめぐる発言でも知られ、小森陽一さんは夏目漱石研究者として作品と時代背景を読み解いてきた研究者です。磯田道史さんの進行と合わせ、文学作品だけでは見えにくい「明治の空気」がどう整理されるかが注目点です。
同番組の別テーマでは、豊臣秀長と小牧・長久手の戦いを扱った回も記事化しています。番組の構成や歴史上の「選択」を追う読み方を知りたい方は、『英雄たちの選択「秀長、誕生!」の見どころもあわせてどうぞ。
放送を見る前に押さえたい3つのキーワード
- 自己本位:他人の尺度に依存せず、自分自身の根拠で判断しようとする漱石の重要な考え方。
- 外発的開化:外からの圧力で急速に近代化した日本社会への漱石の批判を理解する手がかり。
- 学習院講演:国家と個人の関係を考える今回の番組で、漱石の選択が象徴的に表れる場面。
この3点を意識して見ると、文学史の人物紹介ではなく、近代日本が「個人」をどう位置づけたのかを考える番組として理解しやすくなります。
よくある質問
『英雄たちの選択』夏目漱石回はいつ放送?
2026年9月28日(月)21時からNHK BSで放送されます。
今回の中心テーマは何ですか?
夏目漱石が英国留学や日露戦争後の社会を経験する中で「国家」と「個人」の関係をどう考え、学習院講演で何を語るのかが中心です。
出演者は誰ですか?
司会は磯田道史さんと浅田春奈さん。出演は高橋源一郎さん、小森陽一さん、語りは松重豊さんです。
まとめ
9月28日の『英雄たちの選択』は、夏目漱石を「文豪」としてだけでなく、明治日本の近代化と国家主義を批判的に見つめた思想家として読み直す回です。英国留学で得た問題意識、「自己本位」、日露戦争後の社会、学習院講演という流れを押さえると、なぜ漱石が「国家より個人」を重視したのかが見えやすくなります。

