知恵泉 山尾庸三9月22日|長州ファイブから工学の父へ、工部大学校と障害者教育を解説|9/22 22:00
2026年9月22日(火)22:00からNHK Eテレで放送される『先人たちの底力 知恵泉』は、「日本の工学の父」と呼ばれる山尾庸三を取り上げます。長州ファイブの一人として英国へ渡り、帰国後は工部省や工学教育の整備に力を注いだ人物です。
番組のポイントは、肩書きや成果の一覧ではなく、山尾が『異国へ長期留学したい』『工業を振興する役所を作りたい』『最新技術を学べる学校を作りたい』『障害のある人にも教育の場を』という構想を、反対されても曲げずに進めた姿勢です。放送中に気になりやすい長州ファイブ、工部大学校、盲聾教育との関係まで整理します。
9月22日の放送時間・出演者・テーマ
| 番組名 | 先人たちの底力 知恵泉(ちえいず) 山尾庸三 |
|---|---|
| 放送局 | NHK Eテレ |
| 放送日時 | 2026年9月22日(火)22:00~22:45 |
| テーマ | なぜ日本は先進国になれたのか 工学の父 山尾庸三の挑戦 |
| 出演 | 岩下哲典、門井慶喜、菊川怜 |
| 司会 | 藤井彩子 |
| 語り | 谷口慎一郎 |
番組情報では、山尾の『一本気』な性格に焦点を当てています。夢を率直に語り、笑われても反対されても意思を曲げず、最終的に科学技術立国へつながる人材育成の仕組みを作った人物として読み解く構成です。
山尾庸三は何をした人?長州ファイブから「工学の父」へ
山尾庸三は1837年生まれ。萩博物館の人物データでは、1863年に井上馨らと英国へ秘密留学し、ロンドンを経てグラスゴーで造船技術を学んだとされています。帰国後は新政府に入り、近代工業を担う人材を育てるため工学寮の設立を提唱しました。
山口県の人物紹介では、工部省の設置を主張し、技術者教育のため工部省工学寮、さらに工部美術学校の設立にもつながったと説明されています。山尾を『工学の父』と呼ぶ理由は、本人が発明家として一人で技術を作ったからではなく、技術者を継続的に生み出す教育制度を整えた点にあります。
長州ファイブでなぜ山尾が選ばれた?武士身分より実務力
今回の番組説明は『武士でもないのに英国留学した長州ファイブの一人に抜てき』という点を強調しています。山尾は萩藩の陪臣の家に生まれ、桂小五郎らの知遇を得て、ロシア・アムール地方の視察や函館での学習を経験しました。海外留学前から外の技術を学ぼうとする行動力があったことが分かります。
長州ファイブの留学は、攘夷の空気が強い幕末に敵対視していた英国へ渡るという大胆な選択でした。山尾の場合、その経験を帰国後の官僚人生に直結させ、個人の技能習得で終わらせず『学校と制度』へ変換したところが特徴です。
工学寮・工部大学校が日本の近代化を支えた理由
山尾が重視したのは、外国人技術者を一時的に雇うだけではなく、日本人自身が設計・建築・機械・鉱山などを学び続けられる仕組みでした。工学寮はのちに工部大学校へ発展し、近代日本の技術者育成の中核になります。
番組は『卒業した俊英が日本を先進国へ導いた』という流れを扱います。山尾の知恵を現代的に言い換えるなら、目先のプロジェクトを成功させる人材だけでなく、次の世代を育てる教育基盤へ投資したことです。人物の英雄譚ではなく、人材育成の仕組みづくりとして見るとテーマがつかみやすくなります。
障害者教育への取り組み|英国の造船所で見たもの
山尾庸三は工学教育だけでなく、障害のある人の教育にも関わりました。筑波大学附属聴覚特別支援学校の公式史では、山尾が英国の造船所で聴覚障害者が熟練工として働く姿を見て教育の効果を認識し、盲学・唖学の学校を創設する建白書提出へつながったと説明しています。
現在の同校は1875年の楽善会結成を発祥としており、山尾はその後の聾教育の発展に関わりました。番組説明にある『障害のある人たちに教育の場を与えたい』という目標は、工学教育とは別の活動に見えて、実際には『教育によって人の可能性を広げる』という同じ発想でつながっています。
萩博物館の資料も登場|グラスゴーで使ったノコギリやカンナ
萩市は9月22日の放送告知で、萩博物館が所蔵する山尾庸三関係資料が番組で紹介されると案内しています。具体的には、グラスゴーで使用したノコギリやカンナなどです。海外留学を抽象的な『勉強』としてではなく、実際に手を動かして造船技術を学んだことが伝わる資料です。
『知恵泉』の過去回をサイト内で追うなら、光明皇后回の正倉院・施薬院・悲田院解説もあります。人物の行動を制度や社会の仕組みと結びつけて見る番組の特徴が共通しています。
よくある質問(FAQ)
『知恵泉』山尾庸三は何時から?
2026年9月22日(火)22:00~22:45、NHK Eテレで放送予定です。
山尾庸三は何をした人ですか?
長州ファイブの一人として英国へ渡り、帰国後に工部省や工学教育の整備を進め、日本の近代工業を支える技術者育成に尽力した人物です。
出演者は誰ですか?
岩下哲典、門井慶喜、菊川怜が出演し、司会は藤井彩子、語りは谷口慎一郎です。
障害者教育とも関係がありますか?
あります。筑波大学附属聴覚特別支援学校の公式史では、英国の造船所で聴覚障害者が熟練工として働く姿を見た経験が、盲・聾教育の学校設立を考える背景になったとされています。
まとめ|山尾庸三の知恵は「技術」より「人を育てる仕組み」にある
9月22日22:00の『知恵泉』は、長州ファイブとして英国へ渡った山尾庸三が、帰国後に工業振興の役所、工学教育、障害者教育へ構想を広げていった過程を追う回です。山尾の功績を理解する鍵は、本人の技能の高さだけでなく、技術者や学ぶ人を継続的に育てる制度を作ろうとしたこと。グラスゴーでの実体験が工学教育と盲聾教育の両方へつながった点を見ると、『日本の工学の父』と呼ばれる理由が立体的に分かります。

