知られざるクリスマスツリーの起源|森の信仰が“聖なる木”になるまで

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12月になると、街のあちこちで輝くクリスマスツリー。
でも、あのモミの木がなぜ“キリストの象徴”になったのか、考えたことはありますか?

実は、ツリーの始まりは「キリスト教」とはまったく関係のない、“異教の森の信仰”にありました。

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🌳はじまりは「木を神とあがめた」時代から

今からおよそ1200年前、ドイツの森では人々が「樫(かし)の木」を神聖な存在として崇めていました。
森の木々には精霊が宿ると信じられていたのです。

やがてキリスト教の宣教師たちがこの地にやってきますが、人々の木への信仰はあまりにも深く、簡単には捨てられません。
そこで宣教師たちは、ある作戦を思いつきました。
「禁止するのではなく、取り入れてしまおう」と。

✝️ 樫からモミへ――信仰を“すり替えた”伝道師たち

宣教師たちは、崇拝の対象を“樫の木”から“モミの木”に置きかえました。
モミの木を横から見ると三角形をしています。その形が、「父なる神・子・聖霊」の三位一体を象徴している――そう教えたのです。

「これなら、昔ながらの森の精霊を敬いながら、キリストの神にも敬意を払える」
そう考えた人々は、モミの木を飾るようになりました。

こうして、“森の神の木”は、“キリストの木”へと姿を変え、後のクリスマスツリーとなったのです。

👑 イギリスに伝わるまでの長い旅

この風習がイギリスに伝わったのは、なんとずっと後のこと。
最初にツリーを立てたのは、1789年のある夫人――パペンディークという女性の日記に、「夫がドイツ風の木を飾ろうと提案した」と書かれています。
けれど、当時のイギリスではそれほど広まりませんでした。

次にツリーを飾ったのは、ドイツ生まれのシャーロット王妃。
しかし、夫であるジョージ三世が国民から不人気だったため、これも流行せず。

本格的にツリーが人気になったのは、19世紀に入ってから。
ヴィクトリア女王の夫・アルバート公が、故郷ドイツの風習としてウィンザー城にツリーを飾ったのです。
“ヴィクトリア女王と同じことをしたい!”という王室ファンたちの間でツリーが流行し、1860年代にはイギリス中に広まりました。

🎁 世界へ広がった「モミの木の魔法」

やがてドイツ移民を通じて、アメリカや北ヨーロッパにもこの習慣が伝わります。
19世紀の終わりには、世界中の家庭でツリーが輝くようになりました。

ただし、南ヨーロッパなどのラテン系諸国では、カトリック教会が「木をあがめるのは異教の習慣」として反対し、あまり広まりませんでした。
それでも、モミの木の三角形に込められた“三位一体”の意味は、今も世界中の人々に知られぬまま静かに受け継がれています。

🌟おわりに|森の信仰が、いまも私たちの部屋に

こうして見てみると、私たちが毎年飾るツリーには、古代からの祈りや自然への敬意が息づいています。
キラキラと光るオーナメントの下には、“森を敬う人々の心”が流れているのです。

今年ツリーを飾るときは、少しだけその歴史を思い出してみてください。
あなたの部屋に立つその木は、遠い昔、森と神をつなぐ“聖なる木”だったのです。

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