海の地震の“声”を聴け10月26日|大阪湾の活断層と海底観測は何が分かる?|10/26 17:00
10月26日(月)17時からNHK BS8Kで放送される「海の地震の“声”を聴け -サイエンスZERO特別編-」は、海底を調べることで地震の手がかりをつかもうとする研究に迫る番組です。
番組表で示されている中心テーマは、神戸大学による大阪湾の海底地形・活断層の研究と、海洋研究開発機構(JAMSTEC)による巨大地震に関わる海の観測です。海の下で何を測り、そこから何が分かるのかを知っておくと、番組の見どころがつかみやすくなります。
海の地震の“声”を聴けの放送日時と内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送日時 | 2026年10月26日(月)17:00〜17:30 |
| 放送局 | NHK BS8K |
| 番組名 | 海の地震の“声”を聴け -サイエンスZERO特別編- |
| 主なテーマ | 大阪湾の海底地形・活断層調査、海洋研究開発機構の海底地震研究 |
DiMORAの番組情報では、10月26日17時から17時30分までNHK BS8Kで放送され、大阪湾の海底地形調査から活断層を見つける神戸大学の研究や、巨大地震との関係が取り沙汰される現象を捉えるJAMSTECの研究を取り上げ、地震の被害低減につながるのかを探る内容とされています。
地震というと陸上の震度や揺れに注目しがちですが、海溝型地震や海底断層が関わる地震では、震源域そのものが海の下にあります。そのため今回の番組は、海底に残る地形・地層・変動の情報をどう読み取るかが大きなポイントになりそうです。
大阪湾の海底活断層はどう調べる?
神戸大学は大阪湾や播磨灘で、海底地形と海底下の地層構造を高精度で調べる研究を続けています。神戸大学大学院海事科学研究科の研究活動報告には、大阪湾断層の現在の実態、将来の地震・津波発生可能性、湾全体の活断層分布、堆積史を明らかにすることが研究目的として記されています。
海底の形だけでなく地層も見る
海底の調査では、海の深さを細かく測って凹凸を立体的に捉えるだけではありません。神戸大学の報告では、練習船「海神丸」に搭載したマルチナロービーム測深器とサブボトムプロファイラーを使い、海底地形と海底直下の地層構造を調べています。
海底面に段差や連続する地形のずれがあれば、断層活動を考える手がかりになります。さらに海底下の地層まで確認できれば、表面だけでは分からない構造や過去の変形を検討できます。番組で「海底地形から活断層を見つける」という話が出てきたときは、海底を地図のように描くだけではなく、その下の地層まで含めて断層の姿を探していると考えると理解しやすいです。
なぜ大阪湾で調べるのか
神戸大学海洋底探査センターは、大阪湾から南海トラフまでの海底下活断層探査を研究テーマの一つとしてきました。大阪湾は大都市圏に面しており、海底断層の位置や活動の痕跡を詳しく知ることは、地震や津波のリスクを考える基礎資料になります。
ここで重要なのは、活断層を見つけたからといって、すぐに「いつ地震が起こる」と分かるわけではない点です。地形や地層の調査は、どこに断層があり、どのような活動履歴を持つのかを少しずつ明らかにする作業です。番組が「被害低減につながるのか」と問いかけるのも、観測結果を防災へ結びつけるまでに多くの検討が必要だからでしょう。
海の地震の“声”とは何を指す?
番組タイトルの「声」は比喩的な表現です。海底には、地震そのものの揺れだけでなく、地形の変化、地層に残る堆積物、海底地殻のゆっくりした移動など、巨大地震を考える手がかりが残ります。
JAMSTECは、海底下から採取した地質試料「コア」を使い、過去の巨大地震の痕跡を読み解く研究を紹介しています。巨大地震や津波、海底地滑りなどで海底に混濁流が起きると、通常とは異なる堆積物がたまり、タービダイトと呼ばれる地層として記録されることがあります。
その年代を調べることで、過去に大きな出来事がどの時期に起きたかを考える材料になります。JAMSTECの解説では、コアに記録された地磁気を利用して地層の年代を推定し、古文書に残る地震記録などと照合する研究も紹介されています。
つまり海底は、現在の動きを測る観測場所であると同時に、過去の地震を記録したアーカイブでもあります。今回の特別編では、この「今を測る」と「過去を読む」という二つの方向から、海の地震研究が描かれる可能性があります。
JAMSTECの海底観測で巨大地震の何が分かる?
JAMSTECが2026年2月に公表した千島海溝沿いの研究では、東北大学・北海道大学との共同研究チームが、根室沖の海底3地点でGNSS測位と音響測距を組み合わせたGNSS-A観測を5年間実施しています。
この観測では、陸上から遠い海溝付近の地殻がどのように動いているのかを海底で直接測ります。研究チームは、観測データから海溝付近のプレート境界が強く固着していることを示す証拠を得たと発表しています。
陸上観測だけでは届きにくい場所を測る
海溝型の巨大地震を考えるとき、震源域に近い海底での観測は重要です。陸上のGNSS観測網は非常に高精度ですが、海溝軸から距離があるため、沖合でどの程度ひずみが蓄積しているかを直接捉えるには限界があります。
そこで海底に観測点を設け、船などから音響測距を行いながら位置の変化を測る方法が使われます。海底の位置が年単位でどちらへどれだけ動いたかを追うことで、プレート境界の状態を推定する材料が得られます。
このような研究は、地震の発生日時をピンポイントで予知するものではありません。一方で、どこにひずみが蓄積しているか、過去の巨大地震と現在の状態をどう比較できるかを知ることは、長期的な地震・津波リスクを評価するうえで重要です。
地震の被害低減にどうつながる?
海底調査の成果は、すぐに避難行動を変えるような情報になるとは限りません。しかし、活断層の位置や活動履歴、海溝付近の地殻変動、過去の巨大地震の痕跡が詳しくなるほど、想定すべき地震や津波を科学的に見直す材料が増えていきます。
大阪湾のような都市近接海域では、海底断層の位置や規模を把握することが地域の地震・津波想定を考える基礎になります。海溝域では、海底地殻変動の観測によって陸上観測だけでは見えにくかった固着やひずみの状態を検討できます。
番組を見るときは「地震を当てられるのか」という一点だけでなく、観測できる範囲を海へ広げることで、これまで見えなかった情報がどこまで見えるようになったのかに注目すると、研究の進歩が分かりやすいでしょう。
サイエンスZERO特別編の見どころ
今回の見どころは、海底地形を詳細に描く神戸大学の調査と、巨大地震に関わる変化を海で捉えるJAMSTECの研究を、同じ「海の地震研究」として見比べられる点です。
一方は断層や地層という地質の記録を読み、もう一方は海底の位置変化など現在進行形の動きを測ります。方法は違っても、海の下にある震源域へ近づいて情報を得ようとしている点は共通しています。
「声を聴け」というタイトルには、目に見えない海底から得られる小さな変化や痕跡を、観測機器と解析で読み取る研究者の姿勢が重ねられていると考えると、番組のテーマがつかみやすくなります。
参考にした情報
- DiMORA「海の地震の“声”を聴け -サイエンスZERO特別編-」放送情報
- 神戸大学大学院海事科学研究科「令和4年度 海神丸春季研究航海 研究活動報告」
- JAMSTEC BASE「地震は周期的に起きるのか?海底の地層に記録された過去の巨大地震の痕跡から『地磁気』を調べると!」
- JAMSTEC「千島海溝沿いでの『ひずみ』蓄積を海底観測で確認」
よくある質問
海の地震の“声”を聴けはいつ放送されますか?
2026年10月26日(月)17時から17時30分まで、NHK BS8Kで放送予定です。
番組で紹介される大阪湾の研究は何ですか?
番組表では、神戸大学が大阪湾の海底地形を調べ、活断層を探る研究が紹介されるとされています。神戸大学は海底地形だけでなく、海底下の地層構造も高精度で調査しています。
海底観測で地震の発生日まで分かるのですか?
今回参照した神戸大学やJAMSTECの研究は、断層の分布や活動履歴、海底地殻変動、ひずみの状態などを調べるものです。特定の地震発生日をピンポイントで予知する研究として公表されているものではありません。
まとめ
10月26日放送の「海の地震の“声”を聴け -サイエンスZERO特別編-」は、大阪湾の海底活断層調査と、JAMSTECなどが進める海底地震観測を通して、海の下から地震の手がかりを読み取る研究に迫る内容です。
神戸大学の調査では海底地形と海底下の地層を詳しく調べ、JAMSTECの研究では海底地殻変動や過去の巨大地震の痕跡を観測しています。番組では、こうした「過去の記録を読む研究」と「現在の動きを測る研究」が、地震・津波のリスク理解や被害低減にどう結びつくのかに注目すると理解しやすいでしょう。

