コインハイブ(Coinhive)が批判される理由

コインハイブ(Coinhive)を巡る裁判で、通称コンピューターウィルス罪に問われていた男性に無罪が言い渡されました。しかし「コインハイブ(Coinhive)は安全だからブログに導入しよう!」となる前に、問題点をもう一度考え直して見る必要があります。
記事では、「コインハイブ(Coinhive)とはなにか」から「コインハイブ(Coinhive)の何が問題なのか」など、わかりやすく解説します。

※コインハイブ(Coinhive)はサービス名称です。平成31年4月3日現在、サービスは終了しています。

 

コインハイブ(Coinhive)とは

一般的にブログ運営者は、広告収入で収益を得ていることがあります。コインハイブ(Coinhive)は、それと同じようにブログ運営者の収益元となる可能性を秘めていました。

仕組みを簡単に説明すると以下のようになります。

  • 1)ブログ運営者が、コインハイブ(Coinhive)に登録し、自身のブログにコードなどを埋め込む。
  • 2)ブログにアクセスがあると、閲覧者のパソコンなどのパワーを利用してマイニング(仮想通貨の採掘)を行う。
  • 3)マイニングで発生した利益の一部を、ブログ運営者は収益として得る。

いままでブログで収益を得るには、広告やアフィリエイトが主流でした。今回のコインハイブ(Coinhive)は、全く新しいモデルとして注目されていたのです。

コインハイブ(Coinhive)が批判される理由

2019年3月27日、自分のサイトにコインハイブ(Coinhive)を設置していたことで罪に問われていた方の裁判があり、無罪となりました。この裁判結果は、一つの指針になるでしょう。しかし、コインハイブ(Coinhive)のような、『他人のパソコンを勝手に使ってマイニングを行い利益を得る』収益スタイルが、全て合法かと言えば疑問が残ります。(2018年7月には仙台地裁で、似た内容の事件で有罪判決がくだされたケースもあります。)

ここでの利益とは仮想通貨のことです。ビットコインなどが有名ですが、どのような方法で手に入れるかご存知でしょうか。一般的には仮想通貨の業者から購入したり、仮想通貨取引所で買ったり、知り合いからもらったりできます。同じように仮想通貨を手に入れる方法としてマイニングがあるのです。

マイニングは多少の専門知識とパソコンがあれば、誰でも出来る方法です。マイニングを行うにはパソコンを稼働させておく必要があります。例えば一日中可動させて2000円の電気代がかかったとしても、収益が1000円ということもあり、この場合は赤字です。このような「電気代」がランニングコストとしてかかることが、マイニングの悩ましいポイントのひとつでした。

コインハイブ(Coinhive)を利用したマイニングは、基本的にサイト閲覧者のPCを利用します。つまり他人のパソコン(=他人の電気代)を使って、仮想通貨(=利益)を得る形になるのです。仮想通貨のマイニングは、「電気代を利益に変換している行為」という意見もあります。

隣の家の電気を無断で拝借すれば罪に問われるでしょう。コインハイブ(Coinhive)には、それと同じような側面があるので、否定的な意見が生まれるのです。ユーザーに了解を得た上でマイニングプログラムを指導するなどの配慮が必要だといいます。