建売住宅メリットを活かし、デメリットをケアする簡単な方法

建売住宅は、注文住宅より劣った物件なのでしょうか。
一般的に建売住宅の方が価格が低いため、「安かろう悪かろう」というイメージが先行しているのは確かです。
しかし、建売住宅のデメリットは、一つづつケアしていけば、確実にメリットに変換できるものばかり。
そのため、私は、建売住宅は万人に勧めることが出来る、良い買い物であると思っています。

建売住宅の最大のメリットは価格の安さ

まずは、建売住宅の唯一無二のメリットである価格の安さを確認します。
土地代は別として、建物の価格だけで見ると、建売住宅の方が注文住宅より、数百万から数千万円程度も安く抑えることが出来ます。

なぜ、これほど価格が違うのでしょうか。
それは、建売住宅では、人件費と材料費が徹底的にコストカットされているからといわれています。
建売住宅を建てるとき、その材料は同じような建築材料を大量生産した中の一つとなり、そのおかげで材料費が安くなります。
更に、その材料をパーツとして組み込むことで、家を作る手間が簡単になり、施工する大工さんなどの作業時間も大幅に短縮することが出来るようになりました。

材料と工数の簡素化が、建売住宅の最大のメリットと言われる安価な価格設定の元になっているのです。

一昔前の職人気質の大工さんは、階段一つ作るのにも傾斜角度などにまで気を配って施工していたといいます。
注文住宅では、予算次第で、そういった細かい部分までこだわった施工も可能となり、そのためにかかる費用も高額となります。

そうした理由から、建売住宅と注文住宅の価格差は生まれているのです。

しかし、安いがゆえに、建売住宅は注文住宅に比べて、欠陥住宅の割合が多いという意見もあります。
この、「安かろう悪かろう」というイメージが、建売住宅のデメリットとしてあります。

建売住宅に欠陥住宅が多いというデメリットは本当か?

建売住宅メリットは価格の安さ、反対にデメリットは欠陥住宅の多さ、というのが一般的な世間のイメージです。
このイメージは本当なのでしょうか?
残念ながら、建売住宅に欠陥住宅が多いという客観的なデータを見つけることはできませんでした。
ですが、実際に施工する大工さんの気持ちになることで、ある程度予想することはできます。

注文住宅を請け負った大工さんの場合、施主と言われるお客さんが誰かはもちろんわかっています。
施主の納得する住宅を建てることが、大工さんの使命となります。
施主は、住宅を建てている途中に、何度も現場に顔を出したりして、進捗を確認に来ます。
大工さんとも顔なじみとなって、世間話をすることもあるかもしれません。

ここで大切なことは、注文住宅の場合、大工さんにとって、お客さんの顔がわかっているということです。
対して、建売住宅の場合は、お客さんが誰かは基本的にわかりません。

欠陥住宅が多いといわれる建売住宅の大工さんでも、法律は守るでしょうし、信用問題に関わるような、あからさまな手抜き工事はしないでしょう。

しかし、細かい部分で手抜き工事をする可能性は無きにしも非ずです。
その時、お客さんが誰かわからない方が、気が緩んで欠陥につながる可能性が高いという気もします。

とはいえ、注文住宅も手抜き工事によって欠陥住宅となってしまうリスクをはらんでいるのも事実です。
その可能性を心配しているからこそ、施主は工事途中の様子を何度も見に行くのでしょう。

家を買うのが人間なら、家を作るのも人間。
人間のすることに完璧を求められないということからも、建売住宅、注文住宅問わず、欠陥住宅のリスクがかかってくると思われます。

欠陥住宅を回避できる!建売住宅メリット

どんな住宅でも欠陥部分がある可能性はあります。
でも、当たり前ですが、欠陥住宅に住みたい人などいません。
できれば避けたいところです。

建売住宅メリットの一つに、不動産物件がすでに完成している場合が多いという点があります。
どういうことかというと、建売住宅は基本的に実物が建っている場合が多いので、事前に細部まで確認することが出来るということです。

住宅の欠陥は専門的過ぎて素人には判断がつかない、とお考えの方も多いと思いますが、そうとも限りません。
先日もネットニュースになっていましたが、トイレの鍵が内外逆に取り付けられていたという事例もあるくらいなので、「まさか」と思うような箇所も念のためにチェックされることをおススメします。

また、戸建て住宅には天井や床に点検口と呼ばれる穴があります。
内覧で訪れた際には、仲介業者などの許可を取って点検口から床下や屋根裏をチェックさせてもらうと良いでしょう。
まれに、家を建てた時のゴミや建築道具が捨てられていることもあり、そういう物件では、担当した大工さんがいい加減な性格だったと予測が立てられるので、重要な箇所で欠陥が見つかる可能性も高いといえそうです。

そして、最終的に買う前に至っては、ホームインスペクションなどを外部機関に依頼して、問題がないことを確認してから購入することをおススメします。
調査費用は十数万円になることもあるようですが、数千万円の大きな買い物を安心してするためには必要な出費ではないでしょうか。

建売住宅のデメリット(欠陥住宅の可能性)に備える保障や保険

欠陥というのは、いつ発覚するか予測がつかない場合があります。
例えば、住み始めて数年後に雨漏りが発生した、というケースもよくあります。
これは住宅の欠陥というか、経年劣化でなることもあり、地震や台風の直撃などの自然災害を経験した家の場合は、その被害であるともいえるでしょう。

どちらにしても、住み続けることに支障をきたすのであれば対処する必要があります。
そして、最近の新築物件であれば、問題なく対処することが可能です。

現在は法律により、住宅に欠陥が見つかった場合、住宅事業者による無料での修理が義務付けられているからです。(住宅の品質確保の促進等に関する法律)

この保証は、住宅事業者が瑕疵担保責任を持つというもので、10年間有効なものです。
さらに、もし住宅事業者が倒産などしてしまった場合でも、「住宅瑕疵担保履行法」によって、やはり10年は無料修理してもらえます。

このように、もしもの場合が起こったときのセーフティネットも用意されているので、その点では安心して建売住宅を購入することができるでしょう。

建売住宅は注文住宅に劣らない不動産商品

建売住宅の最大のデメリットは、欠陥住宅の割合が多いという負のイメージでした。
しかし、そのデメリットは、上述した通り、購入前の徹底した調査や、購入後の保証制度などによって軽減できたと思います。

最大のデメリットが打ち消されると、最大のメリットが浮き彫りになります。

そう、価格面の安さです。

正直、注文住宅の方がオーダーメイドのスーツのように自分のライフスタイルにぴったりとフィットすることでしょう。
しかし、普通のスーツである建売住宅であっても、日ごろの生活には何ら支障はないはずです。

注文住宅の良さが住み心地だけであるなら、建売住宅の価格の安さは十分比肩できるメリットです。
むしろ、現在の景気が安定しない日本のような場合、低価格の方がより魅力的に見えるのではないでしょうか。

どちらに魅力を感じるかは個人の趣味の範疇ですが、「安かろう悪かろう」というレッテルを建売住宅に張らない方が、マイホーム選びの選択肢を増やすことにつながるでしょう。

マイホームは一生に一度の大きな買い物です。
ありとあらゆる可能性の中から、自分に最適な物件を見つけていただければと思います。

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