住宅ローン金利の上昇か。次期米国大統領トランプの政策失敗に期待?
住宅ローン金利の元となる日本の長期金利が徐々に上昇しています。
アメリカ大統領選でトランプ候補が当選したことがきっかけとなったようです。
アメリカの金利が上昇すると、日本の金利も上昇します。
なぜ、日本の金利も一緒に上昇するのかというと、日米での金利差が拡大し続けると、円安ドル高がさらに加速してしまうからです。
円安になると、海外商品(資材やブランド商品)を輸入する際のコストが高くなります。
その結果、輸入企業の業績が悪化したり、私たちの生活用品なども含めた物価も上昇することになります。
すなわち、景気が悪化する懸念が出てくるのです。
そうならないために、日米の金利差は、ほぼ比例しているのです。
住宅ローン金利も上昇!
住宅ローンの固定金利は日本の長期金利を基準としています。
そのため、日本の長期金利が上昇することで、住宅ローンの固定金利も上昇します。
固定金利が上がれば、そのうち変動金利も上がるでしょう。
私たちのように、これからマイホーム購入を検討している身としては、あまり嬉しくない事態です。
すでに固定金利を組まれている方はほっとしているかもしれません。
同じく変動金利で組まれている方は、将来のさらなる金利上昇を見越して、今のうちに固定金利に借り換えを検討しているのでしょうか。
トランプの政策失敗を望むしかない?
マイホーム購入を検討している方の中に、金利上昇を望んでいる方はいないはずです。
では、金利が下がる可能性はあるのでしょうか?
今回の金利アップの大きな要因は、アメリカの次期大統領にトランプさんが当選したことです。
最初は暴言王トランプの影響で、円高ドル安だったのにも関わず、大方の予想に反して円安ドル高に振れている印象です。
どうして、大方の予想が外れたのか?
それは、暴言王が意外とまともだったからという意外性に、アメリカ国民が期待を寄せているからではないでしょうか。
不良が少しいいことをすると、過大評価されるという、ありがちな話に似ていると、私は思います。
まだ政策を行っていないトランプさんの効果だけで金利が上昇している今の状況は、とても流動的かつ不安定ではないでしょうか。
「これからアメリカ経済はよくなるだろう」という、アメリカ国民の希望的観測だけが根拠のような気がします。
これは、今後、本質的な政策が成功するかしないかによって、大きく変動するでしょう。
トランプさんが、実際にアメリカ大統領になる就任式の日は2017年1月20日の予定です。
就任式以降のトランプさんのやることによって、日米の金利、住宅ローン金利は安定するのではないかと考えられるので、ひとまずその時期まで様子をうかがうのも良いのではないでしょうか。
日本は低金利を維持したい
アメリカに追従するばかりの日本ですが、日本は金利をどうしたいのでしょうか?
アベノミクスの行った経済政策は、円安を誘導したということで評価されています。
また、日銀は、長期金利に対して「10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買い入れを行う」(引用元:【PDF】日本銀行-当面の金融政策運営について-2016年11月1日)と方針を決めています。
このことからも、少なくとも政府や日本銀行は低金利を維持する考えであり、いきなり長期金利上昇、住宅ローン金利上昇、というような事態にはならないと予想ができます。
しかし、世界情勢というものは予測がつかないものであり、それはだれにもわかりません。
政府や日銀も、世界規模の金利の上昇となった場合には、その流れに乗るかもしれません。
私たち消費者としては、給与増加など景気回復のあとでの、金利上昇なら納得もできるんですけど、今段階での金利上昇は勘弁してほしいですね。