起承転結とは?意味と使い方を【小学生】にわかりやすく解説

小学生になると、作文の宿題が出されます。しかし突然作文を書きなさいと言われても、何から書き始めればよいのか、どう展開していけば作文になるのか、戸惑う小学生も多いでしょう。こういった時に役立つのが、作文のわかりやすい構成として挙げられる起承転結です。起承転結とは物事や文章の順序や組み立て方法です。起承転結に沿って文章を書いていけば、小学生でも十分素晴らしい作文が書けます。

起承転結とは?勉強するメリット【小学生向け】

小学生は夏休みの宿題などで作文を書く機会があります。読書感想文や、夏休みの思い出についてまとめた作文など、テーマはいろいろですが、どんな作文であれ、どう書き始めて話を盛り上げ、最後をどうまとめるかは悩ましいところです。その悩みを解決するための手段が、起承転結を考えながら文章をまとめることです。

起承転結とは、基本的な文書の構成方法です。もちろん、作文は起承転結という構成でなくても書けます。しかし文章を書くことに慣れていない人にとっては、起承転結に沿って書き進めていけばまとまりのある作文になるので、作文のとっかかりとしてとても便利なのです。作文を書くことに慣れるまでは、起承転結に基づいて書く練習をしましょう。それが作文上達への近道です。

小学生でも理解できる起承転結の意味と使い方

起承転結といっても、何が「起」で何が「承」なのか、よくわからないという人も多いでしょう。小学生の教科書でもよく扱われている、新美南吉の有名な著作である「ごんぎつね」は、起承転結がはっきりした物語です。ここではこの話を例にとり、小学生にもわかりやすいよう、起承転結のそれぞれの意味と、使い方についてご紹介します。

起承転結の「起」をわかりやすく解説

本来、起承転結とは中国の4行の漢詩の構成を説明したものでした。起承転結の「起」とは起句、つまり話の起こりという意味です。漢詩では詩の始まりを意味していましたが、日本での「起」の使い方は物語全体の設定の説明をする部分です。これから物語が展開する上で、読者に伝えておくべき状況や前提となる情報を書きます。

「起」は、「ごんぎつね」でいうと第一場面になります。ごんの境遇やいたずらが書かれているところです。ごんのいたずらはいつものことであり、兵十へのちょっかいも、ごんの軽い気持ちでやったことだという説明がされています。ごんのいたずら好きが、この物語が展開する上で重要な前提なのです。

今後物語が進むにつれて、読者にわかっていてほしい内容を書くのが「起」であると説明すると、小学生にもわかりやすいでしょう。

起承転結の「承」をわかりやすく解説

起承転結の「承」とは漢詩では承句といって、第1句であった起句を受けて話を進める部分という意味です。日本での使い方としては、物語の中で実際に何かが起こる場面ということになります。

「ごんぎつね」でいうところの「承」は、第二場面です。兵十のおっかあの葬列や、兵十の様子、ごんの後悔が描かれています。兵十のおっかあの死という大きな事件が起こり、それによって兵十とごんの日常に変化が訪れます。小学生が「承」を書くときには、「起」で説明していた状況が変わったことを述べる場面と考えるとわかりやすいです。

物語において重要な事件が起きるのが「承」であり、この部分がないと物語は先に進みません。これからどう物語が展開していくのだろうと読者の興味をそそる内容を書いていきます。

起承転結の「転」をわかりやすく解説

起承転結の「転」とは漢詩でいう転句のことで、内容を展開させるという意味です。日本では「転」は、話の流れが変わり急展開していくパートなので、小学生にも使い方がわかりやすい部分でしょう。

「ごんぎつね」において「転」は第三、四、五場面です。第三場面では兵十に対する共感と、ごんにとっての精一杯の償いが書かれています。ごんが兵十にしたいたずらを悔いて、今までとは違う行動に出るという、大きく話が変わったところです。第四場面では、ごんは自分の行動が兵十に理解されているかもしれないと期待して、会話をする兵十と加助の後をつけて反応を伺います。第五場面には、兵十がごんの行動に気づいていないと、ごんが失望している様子が書かれています。

起承転結の「結」をわかりやすく解説

起承転結の「結」とは漢詩でいう結句であり、終わらせる部分という意味です。日本では、話の全体を締めくくり、結果を示していきます。

「ごんぎつね」における「結」は、第六段落になります。ごんが命を落としたらしい様子が描かれています。兵十の誤解から、ごんが兵十に撃たれたことは大変悲しい出来事ですが、これによって初めて兵十とごんの心が通い合ったところに、この物語の真骨頂があります。著者である新美南吉は「ごんぎつね」を通して、自分の行動が悪かったと反省し、兵十に謝ろうとしたごんの態度がどれだけ素晴らしいものかを子供達に伝えたかったのでしょう。

小学生の作文は、結論部分が欠けていることが多々あります。その出来事に対してどういった結果があったのかを述べる「結」は、作文では大切な構成要素です。その使い方を「ごんぎつね」を通して学びましょう。

小学生が作文を攻略するには、起承転結をおさえることが大切

作文は、書き慣れていない人であれば大人でも難しいものです。しかし、起承転結に気をつけながら作文を構成していけば、小学生でもまとまった、読みやすいものが書けます。作文を一気に書こうとせず、まずは起承転結の4つの構成要素に分けて書いてみましょう。「ごんぎつね」は起承転結がわかりやすい物語ですので、起承転結それぞれの部分について迷ったら是非参考にしてみてください。

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