ゼロ・グラビティを例に学ぶ!サスペンスフルなロードムービーの書き方

主人公がある地点を出発し、あらゆる経験を経て、素晴らしい成長を遂げる映画のスタイルを、ロードムービーという。

このジャンルの特徴として、個々のシーンが独立するため、物語のポイントが不明確なまま書き始めると、散文的になり、淡々とした退屈な作品になってしまう。

その点、2013年の大ヒット映画「ゼロ・グラビティ」は、ロードムービー的要素を含みながら、サスペンスフルな作りになっており、全体を通してハラハラ、ドキドキさせてくれる。

今回はこの良作を、シーン毎に分解し、ポイント解説していく。
できる限りわかりやすく書くので、初心者の方でも、理解していただけるだろう。
もし、あなたが今後、ロードムービーを書こうと考えているなら、参考にしてほしい。

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基本データ

  • ゼロ・グラビティ(2013)
  • GRAVITY
  • 脚本…アルフォンソ・キュアロン(監督)、ホナス・キュアロン
ログライン
生きることに絶望した女性宇宙飛行士が、死と隣り合わせの宇宙でアクシデントに遭遇し、地球への生還を目指す。
主人公
名前:ライアン・ストーン
職業:初任務にあたる宇宙飛行士
特徴:優秀な医療技術者
欠けているもの:生きる自信、宇宙での経験不足、酸素、重力、安全
宇宙
目的
地球への生還
結果
中国の宇宙ステーション(天工)の脱出ポッドを使って地球に生還する。
主人公の変化
最初:絶望の淵から抜け出せないでいる。
最後:自信を持って生きる女性へと成長する。
テーマ
逆境からの再生

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物語概要

第1幕
宇宙飛行士のライアンたちが、ハッブル望遠鏡を修理している頃、ロシアが自国の衛星を爆破する。その影響で発生した破片が、ライアンたちのシャトルに襲い掛かる。破片は、ライアンとシャトルをつないでいたロボットアームを破壊し、彼女を宇宙空間に投げ出す。
マットに救出されるライアン。シャトルは破壊され、他に生存者はいない。マットは、近くの国際宇宙ステーションの脱出ポッドを使って、地球へ生還しようと提案する。
第2幕
マットとライアンは、国際宇宙ステーション(ISS)に到着するが、脱出船「ソユーズ」に問題が発生していることを発見する。二人は衝突するようにISSにしがみつこうとする。その衝撃で二人をつないでいた紐が切れる。ライアンはソユーズから出ているパラシュートの紐に引っかかるが、マットは宇宙に流されしまう。ライアンはマットを救おうとするが、マットは彼女を道連れにしないよう、犠牲になる。
ISSで火事が発生するも、ライアンは何とかソユーズに逃げ込む。その後、ソユーズを起動させるが、パラシュートの紐がISSと絡み合い、発進できない。軌道を回ってきた破片群による二度目の襲撃がある中、ライアンは、何とかパラシュートの紐を切り離そうと奮闘する。やっと紐の切り離しに成功したかと思うと、燃料切れでソユーズは動かなくなってしまう。一縷の望みに欠けて地球に通信を呼びかけるライアン。すると、外国語を話す男性と通信がつながる。まともに話すことができないことを理解したライアンは、絶望する。ソユーズ内の酸素の供給もストップし、生きることをあきらめる。すると、そこへマットが現れて、着陸用の燃料を使い、中国のステーションへ向かうよう、アドバイスをする。
第3幕
目覚めたライアンは、マットが幻覚であったことを知る。彼女は、着陸用燃料を利用して、中国の宇宙ステーションへ向かうことを決意する。
破片群が、中国宇宙ステーションに容赦なく襲い掛かる中、ライアンは脱出船「神舟」を目指す。神舟に乗り込んだライアンは、中国語の操作盤に戸惑いながらも、中国宇宙ステーションとの分離に成功する。神舟は大気圏を辛くも通過。パラシュートも無事に展開し、湖に着水するが、そのまま水中に沈んでしまう。ライアンは、最後の力を振り絞って、カプセルから脱出し、水中を泳いで岸へたどり着く。

シーン分析

シーン単位(#)で分解し、要点を箇条書きにしていく。また、特筆すべき点は、吹き出しコメントを残している。

第1幕

宇宙飛行士のライアンたちが、ハッブル望遠鏡を修理している頃、ロシアが自国の衛星を爆破する。その影響で発生した破片が、ライアンたちのシャトルに襲い掛かる。破片は、ライアンとシャトルをつないでいたロボットアームを破壊し、彼女を宇宙空間に投げ出す。

黒背景に「地球から600km上空。気温は華氏258度~148度」「無音の世界。気圧も酸素も無い」「宇宙で生存は不可能」とテロップ。

これから始まる映画が、コメディやラブストーリーではなく、ダークでサスペンスフルな雰囲気だと暗示している。作品の雰囲気を伝えることで、観客は世界観に身をゆだね、初めて楽しむことができるのだから、できるだけ早い段階で伝えておきたい。

【タイトル】

地球

スペースシャトル「エクスプローラ号」は、地球の軌道を回っている。宇宙飛行士で医療スタッフのライアン・ストーン(主人公/女性)は、地上の管制センターと通信している。

マット・コワルスキー(副主人公/男性)は、新型の船外活動ユニットのテストを兼ねて、シャトルの周りを飛び回って、作業を監督している。ライアンとエンジニアのシャリフは、シャトルに繋がれたまま、ハッブル望遠鏡を修理している。

ライアンは心拍数上昇を管制センターに指摘される。彼女にとって、今回が初めてのスペースミッションである。

管制センターは、望遠鏡の基盤に故障の原因が見られるので、システムのインストールをするよう、ライアンに伝える。ライアンは、作業に1時間程度かかると報告する。

管制センターは、シャトルの周りを回っているマットに、宇宙での作業時間が限界に近づいていることを伝える。

マットは、宇宙での作業に不慣れで経験も浅いライアンをサポートする。

管制センターは、ロシアが衛星を爆破したことにより発生した破片が、地球軌道上を飛び交っていることを伝える。(現時点では安全だという)

修復作業に取り組むライアンとマット。マットは地球の美しさに見とれる。ライアンは作業に集中しているので、それどころではない。

二人の対比が作品のテーマを暗示している。ライアンはマットのように地球や宇宙を愛し、受け入れ、人生を楽しむことができるのか? これが本作のテーマだ。現時点では、なぜライアンはマットのようになれないのか、過去に何かあったのか、については触れられない。それらは追々明らかになればよい。

ここまでがセットアップとなる。主要な登場人物と、彼らを取り巻く環境が、簡潔かつ芝居の中で説明されている。内容としては、ライアンとマットの対照的なキャラクターや宇宙空間という舞台設定の説明となっている。

また、セットアップは、主人公に欠けているものを表す場でもある。欠けているものとは、逆に言うと、最後には手に入れるもの。主人公ライアンに欠けているものは、「酸素」「重力」「安全」「宇宙での経験」「生きる自信」だ。これらを暗示することは、伏線を張り巡らせるということになる。観客は、伏線を回収した瞬間に、主人公と同じように満足感を感じることができる。

管制センターから、直ちに作業を中止して避難するよう命令が入る。破片が他の衛星を破壊し、新たな破片がライアンたちのシャトルへ向かっているという。

セットアップで積み上げた世界観を根底から破壊する出来事が起こるシーン。ストーリーが動き出すきっかけとなる。ストーリーが動き出すということは、主人公が動き出すこと。故に、ここで起きる事件によって、一番影響を被るのは主人公でなければならない。

衛星が破壊されたことにより、ライアンたちは、管制センターと通信できなくなってしまう。

破片群に襲われるエクスプローラー号の面々。ライアンとシャトルをつなぐロボットアームも破壊される。マットの助言により、折れたアームから体を放したライアンは、宇宙空間に放り出される。ライアンはパニックになり、自分がどこにいるのかも判断が付かなくなる。

宇宙に投げ出されたライアンが、「死の恐怖」を体感することで、観客も同じように恐怖を感じる。誰もが想像し得る原始的な感情は、観客を主人公に共感させ、物語に没頭させるために、効果的なテクニックである。

マットに救出されるライアン。シャトルは破壊され、他に生存者はいない。マットは、近くの国際宇宙ステーションの脱出ポッドを使って、地球へ生還しようと提案する。

やがてマットがライアンを見つけ出して救出する。ライアンの酸素残量はごくわずか。マットはライアンに落ち着くよう指示し、酸素消費量を減らすよう命じる。

マットはライアンを連れてシャトルに戻るために、自分と彼女を紐でつなぐ。管制センターとの通信は不通のままだが、呼びかけ続けるマット。

破片群は地球の軌道に乗り、90分後には再び襲ってくる。マットは時計のタイマーを合わせるようライアンに言う。

マットとライアンは、シャリフの遺体を回収する。

マットとライアンは、シャリフの遺体をシャトルへ運ぶが、キャビンは直撃を受けて大破している。乗組員の遺体が漂っている。

シャリフや他の同僚の遺体を目の当たりにして怖気づくライアン。「こんな大惨事に巻き込まれて、生き残ることはできるのか?」と弱気になる様子を見せることで、これから先の道行の険しさを暗示する。そして、どうやってこの困難の乗り越えるのか? という課題を、観客が認識することで、興味を引き付けることになる。

マットは、遠くにかろうじて見える国際宇宙ステーションへ行き、脱出シャトル「ソユーズ」を使って地球へ生還しようと計画する。

マットが提案する無謀な計画に、ライアンが賛同ことを“決意”することがターニングポイントになる。第二幕というまったく未知なる世界へ進むことを、主人公が“決意”した瞬間を描くのだ。物語は主人公の決断無くしては進まない。決意があいまいだったり、周囲に流されて進むと、物語全体が、メリハリのない作品となってしまう。

第2幕

マットとライアンは、国際宇宙ステーション(ISS)に到着するが、ソユーズに問題が発生していることを発見する。二人は衝突するようにISSにしがみつこうとするが、二人をつないでいた紐が切れてしまう。ライアンはソユーズから出ているパラシュートの紐に引っかかるが、マットは宇宙に流されしまう。ライアンはマットを救おうとするが、マットは彼女を道連れにしないよう、犠牲になる。

ISSまで漂うように向かうマットとライアンライアンの酸素供給量が、いよいよ尽きようとしている。マットは彼女の正気を保とうとして、家族について話すよう促す。ライアンは、過去に愛娘を事故で亡くしたことを明らかにする。

子供を亡くした母親の話は、メインプロットである地球への生還を目指す宇宙飛行士の話と、関係ないように思える。しかし、作品テーマ「主人公が生きる気力を取り戻すことができるかどうか」を語る上では、とても重要なシーンとなっている。観客が、作品に、新たな(違う角度の)興味を持つことになり、物語がさらに勢いづくことになる。

また、できるだけ違う話として見せることも大切だ。観客は怒涛のような第一幕を見終え、他の興味を探し出す。そこへ、少し違う話をして、物語に緩急を加えることで、気分転換をさせることになり、第二幕の盛り上がりを楽しんでもらえる。

ISSまであと少しという所までたどり着いた二人。ライアンの酸素残量は限界である。

ISSを見ると脱出用のシャトル「ソユーズ」はパラシュートが開いた状態だとわかる。これでは大気圏への突入は不可能だ。

マットのジェットパックの燃料は、すでに尽きており、ブレーキがきかない。二人はISSに衝突する。何とか外壁を掴もうとするが、うまくいかない。二人をつなぐ紐も切断されてしまう。ライアンは運良く、ソユーズから出たパラシューvトの紐に引っかかる。

宇宙空間で人間が生きようともがく様子を、派手なアクションで見せている。CMや予告編で流されるような、観客が一番見たいと期待する、いわゆる“お約束”を果たすシーンとなっている。

ライアンは、宇宙に流されそうになるマットから伸びる紐を、かろうじて掴む。しかし、このままでは二人とも宇宙に流されてしまい、共倒れになると判断したマットは、自ら紐を手放し、ライアンを救う。

物語を真っ二つに分けた時、中間地点となるシーンだ。本作では、頼りがいのあったマットを失ったライアンが、一人でサバイバルしなければならないという、最悪の状況に陥る。主人公にとってはここからが本番となり、これまで以上にハードな試練が襲ってくることになる。

酸素減少により意識を失いそうになるライアン。マットは、ソユーズを利用して、遠くに見える中国の宇宙ステーションへ向かうよう、最後の指示を出す。

「宇宙遊泳記録を更新することができる」と最後まで冗談を話すマットは、宇宙に流され、やがて見えなくなる。

ライアンは、ISS内部に入る。

ライアンは減圧処理をして、酸素を取り込む。宇宙服を脱いで無重力に浮かぶライアン

ISSで火事が発生するも、ライアンは何とかソユーズに逃げ込む。その後、ソユーズを起動させるが、パラシュートの紐がISSと絡み合い、発進できない。軌道を回ってきた破片群による二度目の襲撃がある中、ライアンは、何とかパラシュートの紐を切り離そうと奮闘する。やっと紐の切り離しに成功したかと思うと、燃料切れでソユーズは動かなくなってしまう。

ISS内部を移動するライアン。途中、計器の故障による小さな火種を見つけるが、気にしない。

通信室を見つけたライアンは、マットに呼びかけるが、反応はない。窓外から地球をじっと見つめるライアン。自分がただ一人の生存者であると再確認し、絶望する。

火災報知機の警報音が聞こえる。ライアンは消火器で消そうとするが、あまりにも勢いが強く、反動で壁に衝突して気を失いかける。かろうじて正気を取り戻したライアンは、消火器と共にソユーズに入り込み、火事から逃れる。

ライアンはISSからソユーズを分離しようとする。

ソユーズは、パラシュートの紐がISSと絡まってしまい、何度もISSの外壁にたたきつけられるだけで、分離できない。

宇宙服を着こんだライアンは、船外活動においてソユーズとパラシュートを切り離そうとする。軌道をまわってきた破片群が襲い掛かる中、急いで作業をするライアン

破片群の衝撃を受けて破壊されるISS。やっと切り離しに成功したソユーズにしがみつくライアン

ソユーズに再び乗り込んだライアンは、中国の宇宙ステーションへ向け発進させようとするが、燃料切れのために、なすすべがなくなってしまう。

物語は徐々に加速する。マットを失って、失意のライアンを、次々とトラブルが襲い、いじめ抜く。ISSの火事、ソユーズのパラシュート、燃料不足、再び軌道を通過する破片群などなど。トラブルは徐々にエスカレートしていき、ライアンが、ギブアップをするまで止まらない。

一縷の望みに欠けて地球に通信を呼びかけるライアン。すると、外国語を話す男性と通信がつながる。まともに話すことができないことを理解したライアンは、絶望する。ソユーズ内の酸素の供給もストップし、生きることをあきらめる。すると、そこへマットが現れて、着陸用の燃料を使い、中国のステーションへ向かうよう、アドバイスをする。

ソユーズ内で身動きの取れないライアンは、最後の望みをかけて、地上の管制センターに通信を呼びかける。その中で、外国語を話す男性「アニンガ」の通話を傍受するが、会話ができない。そのことが彼女を失望させる。

アニンガは、赤ちゃんの子守歌を歌う。ライアンは、ソユーズ船内から酸素を抜き、明かりを消して、目を閉じる。

突如、ソユーズの窓を外からたたく音がして、あわてて起きるライアン。それはマットで、彼は、ハッチを開けて船内に入り込む。彼はライアンの隣に座る。

マットは、ソユーズの燃料がないのなら、着陸用のエネルギーを使い、中国のステーションまで向かうよう、アドバイをする。ライアンは、そんなことをしても無駄だと言って、生きる希望を持てないでいる。

マットは、人生に困難はつきもので、戦わなければならないと、ライアンを励ます。

マットを失ったミッドポイントの後、紆余曲折を経て、主人公が達する結論を表すシーン。ライアンは、一度は失ったマットを、(幻とはいえ)再び得ている。多くの作品で見られるパターンで、ミッドポイントと正反対のことが起きるのだ。理由は、揺さぶるふり幅が大きいほど、主人公の葛藤も大きくなり、ドラマが盛り上がるからだと思われる。

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第3幕

目覚めたライアンは、マットが幻覚であったことを知る。彼女は、着陸用燃料を利用して、中国の宇宙ステーションへ向かう。

ライアンが目覚めると、マットの幻は消えている。彼女は、ソユーズ内に酸素を充填する。操作マニュアルを手に取り、着陸用燃料を推進力に使う方法を調べる。マットの姿はないが、ライアンは、彼に生きるために努力する決意を告げる。そして、そのことを彼女の娘に伝えるよう、マットに頼む。

メインプロット「地球への生還」とサブプロット「娘を失った心の傷の回復」の両方を同時に解決する方法を発見し、遂行する決意を固めるシーン。クライマックスへ向けた盛り上がりが始まる。

ライアンは、着陸用燃料を噴射して、中国の宇宙ステーションへ向かう。見ると、中国の宇宙ステーション自体も高度を失い、今にも大気圏に落ちようとしていることがわかる。

中国宇宙ステーションに近づいたライアンは、消火器を手に取り船外へ出る。すると、三度襲い掛かる破片群の一部が、目の前を通過する。その中を、消火器の反射エネルギーを利用して、中国の宇宙ステーションへ向かうライアン

破片群が中国ステーションに襲い掛かる中、ライアンは中へ入り込む。

破片群が、中国宇宙ステーションに容赦なく襲い掛かる中、ライアンは脱出船「神舟」を目指す。神舟に乗り込んだライアンは、中国語の操作盤に戸惑いながらも、中国宇宙ステーションとの分離に成功する。神舟は大気圏を辛くも通過。パラシュートも無事に開き、湖に着水するが、そのまま水中に沈んでしまう。ライアンは、最後の力を振り絞って、カプセルから脱出し、水中を泳いで岸へたどり着く。

破片群の襲撃を受けて中国宇宙ステーションは崩壊を始めている中、ライアンは、脱出船「神舟」を急いで目指す。神舟はソユーズと作りが似ていたが、コントロールパネルが全て中国語のため、ライアンは戸惑う。

それでも何とか神舟を動かすことに成功したライアンライアンは、地上の管制センターに対して、報告を繰り返す。たとえ、応答がなくとも、気にしない。

大きな破片が中国の宇宙ステーションに衝突し、破壊する。バラバラになった破片は地球へ落ちていくが、そのほとんどが大気圏で燃え尽きている。落ちていく破片とともに神舟も落ちていく。覚悟を決めたライアンは、最後の分離をするボタンを押す。神舟から脱出ポッドが切り離され、赤く燃えながら地球へ落ちていく。

落ちていく脱出ポッドは限界を迎えているように見える。内部では計器がが煙を上げ、こちらも限界に達している。

大気圏を突破した脱出ポッドは、何とかパラシュートを開くが、内部は煙で充満し、ライアンは呼吸も満足にできない。

脱出ポッドは湖に着水するも、そのまま水中に沈んでしまう。

ライアンは何とか脱出ポッドのハッチを開ける。大量の水が流れ込みおぼれそうになるが、最後の力を振り絞って、水面まで泳ぐ。

これまでの経験を活かし、全てを収束に向けて盛り上がりを見せるシーン。初めての宇宙で経験不足の上、生きようとする意欲もなかったライアンが、全力で生きようと奮闘する。そこに迷いはない。消火器で宇宙を泳ぎ、中国語の操作パネルもなんとか起動させる。そしてやるべきことをすべてやった後は、神に祈る。クライマックスに向け、最高に盛り上げなければならない。

水面にたどり着いたライアンは、岸までたどり着き、笑う。そして歩き始める。

ライアンは、物語冒頭では持っていなかった、「生きる意志」を持って歩き出す。最後のイメージは、最初のイメージと正反対になっていなければならない。その変化は、主人公の成長であり、作品を通して伝えるテーマを表している。

まとめ

良い映画では、主人公の葛藤が上手に描かれている。その点、ロードムービーは、必然的に主人公にフォーカスするので、心の成長を追いやすい。葛藤を描きやすく、初心者の方でも、書きやすいジャンルの一つだろう。あなたが、ロードムービーを書くときには、ぜひ今回抽出したポイントを参考にしていただきたい。

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