Googleが提供する無料のWebページ診断ツール「PageSpeed Insights」を使うと、ページの表示速度やパフォーマンスを数値で確認できます。
診断結果に「JavaScript の実行にかかる時間の低減」という警告が出た場合、Webページの表示速度がJavaScriptの処理によって遅くなっている可能性があります。
本記事では、この警告の意味と原因、そして初心者〜中級者でもすぐ試せる改善方法を具体的に解説します。
目次
1. JavaScript実行時間を短縮する3つの改善策
まずは改善策を知りたい方のために、結論から紹介します。
1-1. HTTP/2を利用して同時通信を高速化
従来のHTTP/1.1では、複数のリソース(画像やスクリプト)を1つずつ順番に読み込む仕様でした。
HTTP/2を利用すると、複数のリソースを同時に読み込みできるため、通信効率が大幅に向上します。
- サーバー設定やレンタルサーバーのプランでHTTP/2対応を確認
- ほとんどの最新ブラウザが対応済み
- JavaScriptだけでなく、画像やCSSなどすべてのリソースが高速化
1-2. HTMLの容量を削減して読み込みを軽くする
HTMLファイルが大きすぎると、その分だけ読み込み時間が増えます。
- 不要なタグやコメントを削除
- 不要な改行やスペースを圧縮
- 表示しない画像・要素をHTMLから除去
- 必要な情報はJavaScriptやAPI経由で動的読み込み
注意:圧縮ソフトの自動変換もありますが、レイアウト崩れのリスクがあるため手動調整がおすすめです。
1-3. JavaScriptファイルを圧縮(minify)して軽量化
JavaScriptファイルの圧縮(minify)は、不要な空白や改行、使われていないコードを削除して容量を削減する手法です。
ファイル容量が小さいほど、ネットワーク遅延の影響を受けにくくなり、ユーザー環境によらず高速化できます。
2. 「JavaScript の実行にかかる時間の低減」とは?
JavaScriptはWebページを動的でリッチにするための重要な技術ですが、処理が重いと表示速度に悪影響を与えます。
この診断メッセージは、ブラウザがJavaScript処理に時間をかけすぎていることを意味します。
よくある原因:
- 大量の外部ライブラリの読み込み
- 同期処理でレンダリングがブロックされる
- 不要なイベントや複雑なDOM操作が多い
特にPC性能や回線速度が低いユーザー環境では顕著に遅延が発生します。
3. 改善前後を比較して効果を確認する方法
改善後の効果は必ず計測しましょう。
- 改善前にPageSpeed Insightsで計測(スコアと指標を記録)
- 改善策を適用(例:HTTP/2有効化、HTML・JS圧縮)
- 再度PageSpeed Insightsで計測し、スコア変化を確認
- 「JavaScript の実行にかかる時間」の値が減っていれば成功
Lighthouse(Chrome DevTools内蔵)でも詳細な計測が可能です。
4. まとめ:まず試すべきチェックリスト
- サーバーがHTTP/2に対応しているか確認
- HTMLを軽量化し、不要要素を削除
- JavaScriptをminifyして容量削減
- PageSpeed Insightsで改善効果を測定
JavaScriptの実行時間を短縮することで、表示速度改善・SEO評価向上・ユーザー満足度向上の3つが同時に叶います。
特にWeb制作1〜3年目の方は、この改善作業を通じてパフォーマンスチューニングの基礎を身につけられます。
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