kindle本『住宅ローンで不動産投資を行う方法-自宅は住居付き収益物件を買いなさい』を読みました
星 輝(ほし てる)さんの『住宅ローンで不動産投資を行う方法-自宅は住居付き収益物件を買いなさい』を読みました。
本書では、住居付き収益物件を購入して、不労所得を得るまでのノウハウを、ストーリー仕立てで紹介しています。
無知で低収入のフリーターが、住宅やローンについて勉強を重ねて成功するまでのサクセスストーリーになっているので、専門的な住宅情報書籍を敬遠していた方でもスラスラと読めるのではないでしょうか。
とはいえ、要点はしっかりと抑えているので、すでにマイホーム付き収益物件を検討している方にとっても有益な書籍だと思います。
定収入に残された唯一の道か
本書の主人公は年収400万円以下の派遣社員という設定です。
そんな彼は、将来に不安を感じて時間給労働を増やしたりするのですが、思ったほどの効果が得られず苦悩します。
労働所得には限界がある。
そんな主人公は、不労所得を求めて株やFXの世界にも飛び込むけれど、うまくいかない。
そこで思いついたのが不動産経営。
主人公の記憶では、不動産経営をしているのが、専門知識が薄いであろう高齢者ばかりだったため、「簡単な仕事」だという意識だったのが背中を押した。
主人公は、どうにか不動産を手に入れようとして、銀行融資に挑戦するが。。。
と、ここまで主人公に感情移入させてから、本題に入るという感じです。
本題では、銀行から融資を受けるには住宅ローンが最適であることや、実際の物件を選ぶ基準などが、若干主観的に語られます。
今の世の中、この主人公のような境遇の方はとても多いのではないでしょうか。
私も同じように定収入なので、とても興味深く読ませていただきました。
本書では、主人公の失敗や挫折も多く取り上げられておりますし、後半に進むにつれて少し難しい理屈の話になってきます。
そのことからも、住居付き収益物件を手に入れて運用していくことは、著者が言うよりも難しいと想像できます。(マイホーム付き収益物件を手に入れることを、本書では簡単なことのように書いてある印象です)
それでも、ある種の希望をもって本書を読み進める理由は、他にマイホームを手に入れる手段がないことを、突きつけて教えてくるからでしょう。
私自身、家計をやりくりして節約する程度では、マイホーム購入資金をねん出することは難しいと、最近ひしひしと思うようになりました。
自宅の一部を賃貸として他人に貸し出して、その収益で住宅ローンを返済するという大胆な発想、ウルトラCともいえるマイホーム付き収益物件ですが、寸でのところで手が出せないのは、単に私に勇気がないだけでしょうか。
思うに、デメリット部分についての警告が少ないように感じてしまいます。
うまい話には裏がある、という無意識レベルでの警戒心が働くのでしょう。
ただ、そのことによって大チャンスを逃す羽目になってもつまらないですよね。
不安は知識不足が招きます。
勉強することで、今はまだ靄に包まれているマイホーム付き収益物件がハッキリ見えたら、その時に選択肢として見てみたいと思いました。