本籍を変更する手順と影響をわかりやすく解説

引っ越しや結婚などのタイミングで本籍地を変更したいと考える人は多くいます。しかし、その手続方法や本籍地を変更することでどのような影響があるのか、理解している人は少ないかもしれません。記事では、本籍地を変更することに関してわかりやすく解説します。

 

本籍とは

人にはそれぞれ戸籍が存在します。戸籍とは、親族の関係を明記した公式の記録のことを指します。その戸籍を保管している市区町村の住所を、本籍と呼ぶのです。
あくまでも戸籍という記録を保管している場所の住所であるため、結婚や引っ越しに際して必ず本籍を移さなくても問題ありません。しかし例えば、パスポートの申請や運転免許証の住所を変更する際に、戸籍謄本などが必要となる場合があります。

戸籍謄本は本籍のある市区町村で取得できるので、そこまで足を運ぶか、郵送で取り寄せる必要が出てくるのです。このような手間を省くためにも、本籍は実際に住んでいる住所の近くに移しておくと便利だと言われています。本籍を移動することを転籍と呼びます。

本籍を変更することによる影響

本籍を変更(転籍)することで、戸籍関係の書類を得やすいメリットが生まれます。そのため、引っ越しや結婚などのタイミングで、転籍するケースが多いでしょう。
実は転籍することで、本籍があった前の市区町村役場から、情報が削除されるわけではありません。一定期間は削除した記録「除籍記録」として保管されるのです。つまり、旧本籍地の役場と新たに移した本籍地の役場のそれぞれに、戸籍の情報が存在することになります。一般的には、このことでデメリットを被ることはあまりないでしょう。
しかし例えば本人が亡くなり、遺産相続を行う際に、すべての戸籍情報が必要となることがあります。その場合は、すべての市区町村から記録を取得する必要が出ることがあり、手間がかかるケースが考えられるのです。

本籍を変更する方法

以下では、実際に本籍を変更する方法をお伝えします。本籍を変更する手続きは、市区町村によって異なる部分があるので、実際に行う際には調べる必要があるでしょう。しかし、概要は変わらないので以下を参考にしてください。

本籍変更の手順001_書類を揃える

本籍を変更するには、「転籍届」を区役所の担当課に提出します。転籍届は全国共通の書式となっており、区役所で用紙を取得できるでしょう。またホームページなどからも取得できます。書き方のお手本も用意されています。
次に必要なものは「戸籍全部事項証明書(謄本)」です。本籍のある市区町村役場でしか発行できないので、遠方の場合は足を運ぶか、郵送によって取得してください。

本籍変更の手順002_役所へ持参する

事前に用意しなければならない書類は、上記2通です。これらを持参する際には、「届出人の印鑑」が必要となります。また配偶者と一緒に届出をする場合は、それぞれ別々の印鑑を用意することが必要です。また本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)が必要となることもあります。
届け先は市区町村の役場にある担当部署になります。担当以外の部署では受け付けてもらえないので、事前に調べておく必要があるでしょう。

本籍の変更は簡単にできる

本籍の変更はカンタンに行なえます。戸籍関係の書類を必要とする機会は割と多いので、引っ越しなどによって本籍地と所在地が離れた場合には、転籍手続きをしておくと都合が良いでしょう。時間があるときに戸籍の変更をしておくことをおすすめします。