ハローワークの認定日とは?時間は何時に行くべきか

ハローワークの認定日は失業者にとって最も大切な日といえるでしょう。失業保険を問題なく受給するためには、手続きのルールを守らなければなりません。そのため、情報は事前にきちんと整理しておくべきです。
記事では、受給日の日付や時間の確認方法はもちろん、認定日に何をするのかなど基礎的なことも解説しています。また、時間に遅れてしまった時や、どうしても認定日にハローワークへ行けない時の対処法もお教えするので、事前にシミュレーションしておくとよいでしょう。

 

ハローワークの認定日にやること

失業保険とは、就業中に雇用保険へ加入していた人が、失業した時に受け取ることができる貴重な収入源です。また、厚生労働省は失業給付金の役割について、「労働者の生活及び雇用の安定と就職の促進のために、失業された方や教育訓練を受けられる方等に対して、失業保険を支給します」といっています。
失業保険を得るためには、受給するための資格が必要です。ハローワークが求める資格とは、その人物が就職活動中であること。つまり失業保険を受け取るためには、きちんと就職活動をしていることを、ハローワークに認めてもらう必要があります。そのため失業者は、原則として4週間に1度、ハローワークに対し、失業状態であることを認定してもらわなければなりません。その日を認定日と呼ぶのです。
具体的には、認定日にハローワークへ足を運び、「失業認定申告書」に求職活動の状況などを記入した後、「雇用保険受給資格者証」とともに提出してください。
ポイントとなるのは求職活動の内容です。例えば企業に応募して面接を受けることはもちろん、自宅でインターネットの転職サイトを見るだけでも、一般的には求職活動をしているといえるでしょう。しかし肝心なことは、ハローワークがそれを就職活動として認めるかどうか。認められなければ、何もやっていないことと同じになってしまいます。そのため、おこなった就職活動が認められるかどうか判断に迷うことがあれば、ハローワークに問い合わせて確認するべきです。
認定を認めてもらえないケースはいくつかあります。例えば、実際に求職活動をしていないのにもかかわらず、ウソの記述をしたことが発覚すると、当然ですが認めてもらえません。それどころか不正受給をしたとして厳しく罰せられるでしょう。また、自宅のパソコンで転職サイトを見ているだけでも認めてもらえません。しかし、同じパソコン検索でも、ハローワークに足を運び、施設内のパソコンで検索すれば認めてもらえるのです。
そして、期間中に最低2回の求職活動をすることが、認定されるための最低条件であることも忘れないでください。認定されなければ失業保険は受給できません。

ハローワークは何時に行くべきか

ハローワークの認定日は、一人ずつ時間まで指定されています。ところが、初めて認定日をむかえる人は、いざその日が近づくと、時間だけすっぽりと忘れてしまうことがあるのです。認定日を把握するための早見表には、日付だけが書いてありますが、時間は明記されていません。
そんなときは、慌ててハローワークに電話をして確認しようとするよりも、もらった書類の束を整理することをおすすめします。認定日の日付と時間は、失業認定申告書の左下に書いてあるので、落ち着いて探しましょう。

遅刻したらペナルティはあるか?

もしハローワークから指定を受けた時間に遅刻してしまったらどうなるか。結論からいえば、時間に遅刻したくらいでは大きな問題は起きないでしょう。
もし遅刻をしたとしても、個別に職員が対応してくれるはずです。そして、遅刻をしても失業保険は問題なく支給されるでしょう。
そもそも時間を区切る理由は、ハローワーク側の都合によるところが大きく、事務処理の効率化が主な目的だと思われます。ハローワークには毎日多くの人がやってきますが、その都度、一人ずつ認定のための処理をおこなっていては非効率と言わざるを得ません。そのため、日時と時間をしっかり区切って、ある程度まとまった人数を相手にする必要があるのです。
遅刻しても罰則がないのなら、そもそも時間を守る必要はあるのかと、疑問に思う人がいるかもしれません。予定通りの時間に来所すれば、それほど時間をかけずに手続きを終えることができます。しかし、時間を無視して来所すれば、その分だけ多くの時間がかかってしまうかもしれません。そのため、スムーズな手続きをするためにも、認定日の時間はきちんと守るようにしましょう。
また、日付を間違えた場合は、時間を間違えた場合とは異なり、相応のペナルティを受けることになります。詳しくは後述しますが、認定日の日付は、くれぐれも厳守するようにしましょう。ここでいう日付とは、正確にはハローワークが開庁している時間のことです。例えばハローワーク渋谷の場合、平日(月~金)8時30分~17時15分が利用時間なので、それ以降は受け付けてくれません。利用時間は施設によってことなるので、利用の際にはきちんと調べるようにしましょう。

失業保険を受給できる期間は?

失業保険は、離職した日の翌日から1年間のうちに受給することが原則となっています。しかしすべての人が、1年間に渡って失業保険を受けられるわけではありません。
実際に失業保険を受ける日数のことを、所定給付日数といいます。そして所定給付日数は、個人の条件によって差がでてくるものなのです。
所定給付日数を計算するには、雇用保険の被保険者であった期間が重要となります。会社員としての生活が長く、雇用保険に加入していた期間も長い人は、短い人より多くの所定給付日数が割り振られるでしょう。
所定給付日数は、離職の理由によっても異なります。特に会社の倒産や急な解雇により失業した人は、再就職に向けた準備をする時間的な余裕がなかったとして特別扱いされます。そのような人は、特定受給資格者と呼ばれ、一般の離職者よりも手厚い給付日数を受けることがあるのです。このように、さまざまな要素を含んで決定された所定給付日数は、少なければ90日、多くても360日までと決められています。
また、病気や怪我を負ってしまった人や、女性であれば妊娠や出産、それにともなう育児などが理由で働けない人は、例外的に受給期間を延長できるのです。具体的には、引き続き30日以上働くことができない人が対象となります。その働きたくても働けない日数分だけ延長可能なのです。
ただし延長措置は最長でも3年間までとなっているので注意してください。そして、受給期間の延長措置を受けるためには、30日以上続けて働くことができないとわかった時点で、ハローワークへ申請することが原則となっています。しかし、もし申請することを忘れていた場合でも、後日申請することは可能なので諦めないようにしましょう。詳しくは最寄りのハローワークへ相談してください。

認定日を欠席すると失業保険の受給がストップする?

まず失業保険を受給するための条件を確認しましょう。条件は2つあります。
一つは、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。もしくは、特定受給資格者または特定理由離職者であれば、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上あれば受給可能です。この条件に達しない人は、最初から失業保険を受け取ることはできないので、諦めるしかありません。
もう一つの条件が、「失業の状態」であることです。失業の状態とは、ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない状態を指します。
従って上記のような失業の状態にない人は、失業保険を受給できません。具体的には、病気や怪我によってすぐに就職することが困難な人や、妊娠や出産、それにともなう育児によりすぐに就職することができない人を指します。ほかに、定年退職した人で、しばらく休養しようと考えている方も対象から外れてしまうでしょう。就職の意志がないとみなされ、ハローワークが定める失業の状態にないと判断されるからです。同じように結婚などをきっかけにして、家事に専念しようと考えている専業主婦の人も、すぐに就職する意思がないとして受給資格は認められないでしょう。
さらに基本的なことを言えば、認定日にハローワークへ来所しない人や、不正受給が発覚した人は受給できません。
また、いったん失業保険の受給をスタートした後でも、上記の理由から受給資格を有しなくなった場合、途中からでも受給できなくなりますので注意しましょう。

不正受給のペナルティ

不正受給とは、失業保険の基本手当などを不正に受給することです。不正受給が発覚すると、以後これらの受給ができなくなり、その返還も命じられてしまいます。さらに返還が命じられた不正受給額のお金とは別に、不正行為により支給を受けた金額の2倍以下のお金を納付しなければなりません。
このように不正受給に対するペナルティは重く厳しいものです。間違ってもこのような行為に手を出すことはやめましょう。
しかし、意識せずに不正受給をしてしまう人もなかにはいます。思い当たるフシがある方は、そうならないように以下の典型例を参考にして、自分の状態と比べてみると良いでしょう。
まず、実際には求職活動を行っていない人が、嘘の情報を「失業認定申告書」に記入して申告する場合。ウソの情報を記入している時点で計画的だといえるので弁解の余地はありません。
次にアルバイトやパートタイマーとして働いたにもかかわらず、「失業認定申告書」にその事実を記さず申告した場合。例えば1日だけ短期アルバイトとして働いた人でも、ハローワークに対して申告する義務があります。単純に忘れていた場合は同情の余地があるようにも思えますが、ハローワークからは偽りの申告と見なされてしまうので注意しましょう。
すでに就職が決まった人や、自営業や請負で事業を始めている人、内職や手伝いにより収入がある人が、その収入について申告しない場合も不正受給と判断されます。例えば脱サラしてフリーで働くようになった人が、安易に失業保険を受給しようとすると不正受給に該当する危険があるので気をつけましょう。
このように不正受給を受けると、先述したとおり大きなペナルティが科せられます。基本的に受給期間に収入を得ているのにかかわらず、その収入を申請しない場合は不正受給となる可能性が高いです。ハローワークへの提出書類には事実をありのままに記入するよう心がけましょう。
科せられる課せられる

認定日に予定が入った時の対処法

ハローワークの認定日は、とても大切なので必ず行かなければなりません。しかしやむを得ない事情により、認定日にハローワークへ行くことができない場合もあるでしょう。そのような場合、証明書等を提出することによって認定日の変更ができるのです。
例えば、就職のための面接や採用試験が認定日と重なった場合は、面接担当者による受験証明書などを提出すると、日時の変更を認めてもらえます。また、国家試験や検定試験の受験日が重なった場合、受験票や受験通知書などが証明書の代わりとなるのです。このように、あらかじめわかっている予定の場合、証明書類を取得するための準備が必要となります。
ときには、不意の出来事によって認定日に来所することが難しい場合もあるでしょう。例えば、病気や怪我などの場合は、診断書や医療費の領収書などの提出が必要です。また親族の看護が必要になったときには、医療機関の証明書などがそのかわりとなります。親族に不幸があった場合、その葬儀に関する証明書や喪主の証明が必要です。また、配偶者や3親等以内の親族の法事であれば、僧侶や施主の証明が必要となります。そして、天災が原因で認定日にハローワークへ行けないときは、官公庁の発行する証明書を提出することで、認定日を変更できるのです。
意外と思われるかもしれませんが、本人の結婚式や新婚旅行、子供の入学式や卒業式への出席が理由であっても、証明する書類さえあれば認定日を変更することができます。
特別な理由がないのに認定日の変更をすることは、原則行えません。私用などで認定日に行くことができなかった人は、後日ハローワークに出向き事情を説明してください。1年間の受給期間内であれば、次の機会まで繰り越すことは可能ですが、行かなかった認定日までの分の給付はすぐに受けることができません。
認定日の時間に遅れることは大きな問題ではありませんが、日にちは遵守したほうが無難です。そのためにも余計な予定はいれないようにするとよいでしょう。

失業期間の認定日はとても大切

認定日は、ハローワークに失業中であることを伝えに行く大切な日です。これをしないと失業手当を受け取ることができません。そのため、遅刻くらいなら大きな影響はありませんが、日付を忘れたり、すっぽかしたりしないよう注意してください。
失業中の人は、基本的に失業保険が唯一の収入源であるはず。それが、次の認定日がある4週間後までストップしてしまったら、まともに生活することもできなくなってしまうでしょう。そのため認定日の日時が確定したら、その日には何も予定をいれずにおくことをおすすめします。
そして忘れてはいけないことが、就職活動をきちんと行うこと。失業保険を受給することばかり気にして、就職活動がおろそかにならないように気を付けましょう。

このテーマの関連記事はこちら