WordPressテスト環境を同一サーバー内に設置する7ステップ

WordPressで作ったホームページをカスタマイズしたり、新しいプラグインを試したりするとき、テスト環境があると便利です。そしてテスト環境は同一サーバー内にあると良いでしょう。
記事では、レンタルサーバーの「さくらレンタルサーバー」を利用して、同一サーバー内にWordPressとのテスト環境を構築する手順を解説します。

 

WordPressテスト環境を同一サーバー内に設置する理由

実際、WordPressのテスト環境を構築する場所は様々あります。レンタルサーバーなどすでに契約済みの同一サーバー内や別で契約したテスト専用サーバー内、またローカルPCにxamppなどで擬似サーバーを構築する方法もあります。

そんな中、WordPressのテスト環境を同一サーバー内に設置したほうが良い理由は、「テスト環境はできるだけ本番環境に近づけたほうが良い」からです。

ローカル環境に擬似サーバーを設置するとインターネットに接続しないため安全だというメリットがある一方、本番環境と異なる点が多くなるデメリットもあります。別サーバー契約をしても、微妙な設定の違いが差異を生み「テストでできたけど本番でできない」自体を引き起こすこともあるのです。

そのためWordPressのテスト環境は同一サーバー内、それも本番サイト用のフォルダと並列に並べることが好ましいでしょう。

WordPressテスト環境を同一サーバー内に設置する7ステップ

それではWordPressテスト環境を同一サーバー内に設置するステップを紹介します。今回の条件は以下です。

  • WordPressのバージョンはwordpress5.0.3
  • さくらレンタルサーバー「スタンダード」を契約
  • 独自ドメインで本番サーバーを運用済み

手順は大まかに7ステップです。一つずつ解説するので参考にしてください。

手順1_WordPressファイルをすべてコピー

FTPソフトなどを使って、さくらレンタルサーバーにアップ済みの全ての本番用ファイルを、ローカルにダウンロードします。全ての本番用ファイルとは、WordPressをセットアップしたときの全ファイルのことです。ちなみに、ローカルにダウンロードしたファイルは、バックアップとしてzip形式などで保存しておくことをおすすめします。

次に本番環境と並列になるように、テスト環境をアップロードします。

手順2_データベース情報をコピー

さくらレンタルサーバーでは、データベースを操作するためにphpMyAdminが用意されています。さくらレンタルサーバーにログインして、phpMyAdminにもログインしてください。

全てのデータをSQLとしてエクスポートします。選択項目などの意味が理解できない場合は、デフォルト設定のままエクスポートして問題ありません。エクスポートの際、zip形式を選択できればしてください。できなければ、あとでzip形式に変換します。

さくらレンタルサーバーでは、データベースに複数のテーブルを作ることができます。テスト環境用のテーブルを作成したら、先ほどエクスポートした本番SQL(zip形式)をインポートします。

手順3_テスト環境にサブドメインを割り当てる

さくらレンタルサーバーで独自ドメインを運用している場合、サブドメインを作ることができます。会員ページのドメイン管理からサブドメインを作って、テスト環境に向けてください。新しいサブドメインが有効になるまで時間がかかる場合があります。

手順4_wp-config.phpのDB接続情報を変更する

wp-config.phpの内容を編集します。今回のようにWordPressのテスト環境を同一サーバー内に設置している場合、DBのテーブル名だけ変更すればよいでしょう。

手順5_URLを置き換える

WordPressのファイルのあちこちには、本番用のURLが記載されています。またURL自体のほかに、そのURLが何文字で構成されているかという情報まで記録されているのです。テスト環境用にサブドメインを向けているので、URLを変更する必要があります。例えば「○○.com」を「sub.○○.com」に上書きするのです。

URLの上書き方法はいくつかありますが、おすすめツールは「Search-Replace-DB」です。英語表記の外国製ツールですが、利用方法が簡単で強力です。ただ、強力ゆえに使用には最大の注意を払う必要があります。

Search-Replace-DBの使い方

参考:Search-Replace-DB

上記にアクセスしてメルアドなどの必要情報を入力してください。メールにダウンロードURLが添付されてくるので、ファイルをダウンロードします。圧縮ファイルを解答すると「Search-Replace-DB」というフォルダが現れます。その中の「Search-Replace-DB-master」フォルダを、FTPなどを使いWordPressのルートに設置してください。(wp-config.phpなどがある一番上の階層です)
「sub.○○.com/Search-Replace-DB-master/」にアクセスすると専用ページにアクセスできます。

注意するべきは、Search-Replace-DBを実行する前に「手順4_wp-config.phpのDB接続情報を変更する」を済ましてください。上記専用ページにアクセスすると自動でDB接続情報が入力されていますが、それはwp-config.phpの情報から抜いているからです。手順を間違えると、本番のDB情報が上書きされてしまいます。

手順6_検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする

ここまでの作業で、テスト用ホームページにアクセスできます。しかしこのままではインターネット上に同一コンテンツが存在することになり、Googleから重複コンテンツと判断されると、本番サイトの検索結果に悪影響を及ぼしかねません。
そこでテスト環境のWordPress管理画面「設定>表示設定」から「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」にチェックを入れてください。

手順7_ベーシック認証でID・PASSを設定する

テスト環境のホームページは、管理者だけがアクセスできるようにしなければなりません。そこでベーシック認証でID・PASSを設定します。「.htaccess」ファイルを利用してパスワードをかけます。

以上でWordPressのテスト環境を同一サーバー内に設置する作業の完了です。

WordPress開発にテスト環境は必須

WordPressは多くのユーザーが利用するCMSです。そのため更新もアップデートも頻繁に行われます。
オリジナルにカスタマイズしている部分があったり、プラグインを多く使ったりしている場合、動作確認する機会も多くなるでしょう。そのためテスト環境の構築は必須なのです。そして、できれば本番環境と状況が近くなるように、同一サーバー内に設置することをおすすめします。

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