シナリオ勉強会【初心者向け】

シナリオの柱書きを初心者が上手に書くための2つのコツ

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朝の洋館

シナリオ本文では、まず最初に柱書き(はしらがき)から書き出します。
省略して、柱(はしら)ということもあります。

柱書きとは、映画やドラマが映像として映し出された時、そこがどこなのかを指定する、 シナリオの書き方です。
言葉では伝わりにくいと思いますので、実例でお伝えします。

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○中学校・教室

柱書きの例001

○原宿駅・外観

柱書きの例002

○駅・線路内

柱書きの例003

○ビニールハウス・内

柱書きの例004

このように、その場所がどこかを指定する書き方が、柱書きとなります。

次に、間違っている例を見てください。
○朝日に輝く洋館
朝の洋館

さて、この柱書きの、どこが間違っているかわかりますか。
そして、正解の書き方はお分かりでしょうか。

柱書きは、 シナリオの一番最初に読まれる部分です。
そのため、間違った書き方をすると、その時点で読み手が混乱する可能性があります。
そうならないよう、以下の記事を読んで、ぜひ正しい柱書きの書き方を身につけていただきたいと思います。

柱書きが集まってシナリオになる

柱書きは、シナリオライターが決めることが出来る最小の単位です。
その柱書きがいくつも集まってシナリオが出来ています。

ちなみに、撮影現場では、柱書きをもっと細かくした 「カット」という単位が最小単位となります。
シナリオでは、カットまで指定することはありませんが、内容の書き方次第では、イメージ通りに促すことも可能です。

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柱書きはハンコと一緒!一つのシナリオ内で同じ名前

「○朝日に輝く洋館」という柱書きは、さわやかな場面の雰囲気が伝わる良い柱の書き方じゃないかな、と思う方もいるかもしれません。

でも、これでは良いシナリオの書き方とは言えないのです。
それは、どうしてでしょうか。
実際にシナリオを書き進めていくとわかります。

シナリオは、柱書きから始まるシーンを、たくさん集めてできたものです。

つまり、1つのシナリオには、たくさんのシーン(柱書き)が書いてあります。
なかには、同じシーン(柱書き)が、何回も登場することがあります。

そんな時、「○朝日に輝く洋館」と同じ洋館で夜のシーンがあったらどうでしょうか。

夜の洋館

「○夜の洋館」というように書けばいいと思うかもしれませんが、それでは読者は混乱してしまいます。

なぜなら、「○朝日に輝く洋館」と「○夜の洋館」という風に書くと、二つの洋館が同じ場所ということがわからないからです。

もちろん、あなたは書いた本人だから分るのですが、初めて読んだ方は、まったく別の二種類の洋館が存在するのかと勘違いする可能性があります。

内容を読み込めば理解できるかもしれません。

しかし、シナリオは制作者向けの本なので、一目でわかるように書いてある方が親切です。
制作者がスムーズに仕事に取りかかれるように配慮して書く必要があるのです。

つまり、一度シナリオに書いた柱書きは、その後もずっと同じ名称で書かなくてはいけないのです。

柱書きはハンコのようなものと思ってください。

田中さんはずっと「田中」のハンコ、佐藤さんはずっと「佐藤」のハンコを使い続けます。
今回の場合は、「○洋館」というハンコを使い続けるイメージですね。

さらに、「○洋館」には天気、時間帯、詳しい場所などの情報もくっつけて書く場合があります。
それらのサブ情報もハンコのように同じ言葉で書かなくてはいけません。

例えば、天気では雨、雨天、降雨などなど、いろいろな言い回しがありますが、「雨」ハンコに統一しなければなりません。
ちなみに、雨の降り方に差がある場合(土砂降り、霧雨など)は、ト書きで詳しく指定できるので安心してください。

つまり、「○朝日に輝く洋館」は「○洋館・外観(朝)」と書くのが正解となります。

シナリオは過去から始められない?

柱書きのよくある間違いの中に「年代の取り扱い方」があります。

これは、 シナリオの最初の柱書きで「○公園・グラウンド(10年前)」と書き始めては間違いとなってしまうということです。
なぜなら、この書き方では、いつから10年前なのかがわからないからです。

例えば、SFなら2999年から10年前かもしれないし、時代劇なら明治10年から10年前という場合もあり得ます。

そのため、「●年前」と年数を指定して過去にさかのぼった書き方をする場合は、元となる年代が明らかになっていなければならないのです。

しかし、過去から始めることが出来ないわけではありません。

もし、過去の場面から始めるのであれば「○公園・グラウンド(2006年)」とはっきり書くか、「○公園・グラウンド(過去)」のようにぼかして書く方法があります。

そして、過去のシーンが終わった最後には「2006年終わり」や「過去終わり」と明記しましょう。
このように、シナリオでは、誰が読んでもわかるように、理屈の整合性が求められます。

短い柱書きが読みやすいシナリオを創る

柱書きは正確に伝えないといけません。

そこで、例えば「○洋館・東側・庭・花壇・チューリップの前(朝)」のように、できるだけ詳しく場所を指定した方が良いと思うかもしれません。

しかし、本当にそうでしょうか。
確かに書き方は間違っていないし、詳しく書いていますが、逆にわかりにくくなったように思えます。

なぜかというと、「パッと見」で理解できないからなのです。

シナリオの読者は、制作者ということを思い出しましょう。
忙しい現場では、「パッと見」で理解できる、ということがとても大切になります。

そのため、シナリオ柱書きは、できるだけ簡潔に短く書く方が良いのです。

もちろん、物語の内容を伝えるために、どうしても詳しく書く必要がある場合は、それが伝わるように書かなくてはいけません。
先ほどの例だと、花壇の前が舞台だということを必ず伝えないといけない、というような場合です。

その場合は「○洋館・花壇(朝)」というように、短く書くと良いでしょう。

本筋に関係のない無意味な説明や、過度な説明は、どんどん削ってスッキリさせてください。

とはいえ、「○洋館」だけでは、洋館のどこなのかわからないし、「○花壇」だけでもどこにある花壇かわかりません。

削りすぎて意味が伝わらなくなっては元も子もないので気を付けましょう。

このように、シナリオ柱書きは、出来るだけ短く、しかし、内容はキチンと伝わるように書かないといけません。

柱書きを短く書くための便利なルール

柱書きはできるだけ短く簡潔に書くとよいのですが、そのために様々なルールが生まれました。
そのルールの一部をお教えします。

  • ○を先頭に書くだけで、柱書きということを宣言します。
    例:○学校・外観
  • 場所について、広い視点から実際の舞台までをズームインする形で、親と子の関係で書きます。理屈では、親・子・孫・・・と限りなく細かく指定できますが、簡潔に書くように努めましょう。せいぜい孫くらいまでに抑えると読みやすいです。
    例:○学校・体育館・倉庫内
  • 同じ柱書きが続く場合は、「同」で省略できます。
    例:○学校・外観→○同・職員室
  • 時間帯について、何も書かない場合は昼を暗示します。それ以外はカッコで指定します。例えば、夜、朝、早朝、深夜などです。内容に関係しない限り「12:00」のような具体的な時間指定は意味がないので書きません。
    例:○学校・教室(夕)
  • 天気について、何も書かない場合は晴れを暗示します。それ以外はカッコで指定します。例えば、雨、雪などです。
    例:○学校・教室(夕・雨)
  • 夢や空想、過去などのシーンでは、柱書きの末尾に指示を書きます。これらの特殊な指示の場合、終わりの箇所も明記します。
    例:学校・廊下(夢)~(夢終わり)

これらのルールは絶対に守らなければいけないモノと言うよりは、シナリオを上手に書くために利用してやろう、というくらいに考えて書くと良いでしょう。

柱書きをマスターしてシナリオを支える柱とする

シナリオ柱書きは、小説などでは使われない特殊な書き方です。
そのため、馴染みが無い方が多く、初心者の方は戸惑ってしまうでしょう。

本記事では、そんな初心者の方でも、上手な柱書きを書くためのコツをお伝えしました。

  • ずっと同じ名称で書く
  • できるだけ短く書く

この、たった2つのコツを意識するだけで、ワンランク上の柱書きを書けるようになれます。

しかし、いくら頭で柱書きの書き方を理解しても、実際に書かなければ、身につきません。
本当の意味で身につけるには、やはり、かかねばいけませんね。

柱書きは、家における柱のようなものです。
キチンとした書き方を身につければ、シナリオ全体に、ドッシリとした安定感が生まれるはずです。

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コメント

  1. 通りすがりの初心者 より:

    夢や空想などのところ、「特殊な支持」となってます、恐らく「指示」かと

    1. teruko より:

      通りすがりの初心者様

      ご指摘ありがとうございます。
      修正いたしました。

      今後ともよろしくお願いいたします。

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