どんでん返し

大どんでん返し映画の書き方_たった一つのコツと4つのパターン例

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大どんでん返し映画の書き方_たった一つのコツと4つのパターン例

 

大どんでん返しのある映画は人気があります。
どんでん返しのトリック自体が魅力的の場合、映画のウリにもなります。

一方、新人コンクールなどでは大どんでん返し脚本があまりみられません。
複雑な伏線を張り巡らせたり、熟練の構成テクニックが必要ではないのか、と尻込みするからではないかと思われます。

しかし、大どんでん返し映画は、意外と単純な構成になっている場合も多いのです。
それは、実際に大どんでん返しがある映画を分析するとよくわかります。

大どんでん返しのテクニックを、上手く取り入れれば、コンクールで応募作を目立たせることが出来るでしょう。
また、あなたの脚本がレベルアップし、インパクトを持つことができます。
ぜひ、参考にして下さい。

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作品テーマで大どんでん返し[パターン1]

マッチスティック・メン」は、詐欺師が主人公の映画です。
その設定を逆手に取って、主人公の詐欺師がラストに騙される、大どんでん返しが用意されています。

まずは、ネタバレを含むストーリー概要から。

主人公の詐欺師の元に、生き別れの娘だと名乗る少女が現れます。
はじめは戸惑いを見せる詐欺師でしたが、少女と生活を過ごすことで父親として目覚めるようになります。
詐欺の相棒からは小馬鹿にされますが、裏稼業から引退して真人間になろうと決意する。

ところが、最後の大仕事でヘマをして逆に囚われてしまう主人公。
なんとか娘だけは守ろうと、溜め込んだ大金を託そうとするのですが。。。

ここで大どんでん返しです。
実は、生き別れの娘という設定は真っ赤な嘘でした。
さらに、映画中で主人公と関わりのあるほぼすべての登場人物が、裏で手を結んだ詐欺師たちだったのです。娘と名乗った少女もその一味でした。
彼らの狙いは、主人公が溜め込んでいた大金です。
主人公は、まんまと大金を盗られ、娘も存在しないと知ると、絶望のそこへ叩き落とされます。

この映画の大どんでん返しは、ラスト付近で明らかにされます。
映画のテーマは、「生き別れの親子の絆」としておきながら、実は本当の親子ではなかった、という仕掛けです。

この大どんでん返しを成立させるために、ネタバレ直前まで、親子の絆が育まれる様子を丁寧に描いています。
逆に言えば、細かな伏線を張り巡らせるようなことはしていません。
普通のドラマを描いているだけともいえます。

鑑定士と顔のない依頼人」も同様のテクニックで大どんでん返しを仕組んでいます。

主人公の年老いた鑑定士は、人生で初めて若い娘に恋をします。
ところが、その娘はもちろん、主人公に恋愛指南をするプレイボーイも、主人公の仕事仲間も全て偽りの存在でした。
主人公は、生涯をかけて収集した美術品と、愛を失います。

ちなみに、この2つの映画は、大どんでん返しの仕掛け自体は似ていますが、その後の結末が全く異なります。
個人的には、ハッピーエンドとバッドエンドくらい差があるように感じました。
見比べてみると面白いかもしれません。

主人公設定で大どんでん返し[パターン2]

最後の最後に、一箇所だけ設定を変えると、ものすごい衝撃を与えることが出来るのが、大どんでん返しの特徴です。

変化する設定は主人公に近いほどインパクトがあります。
その最たるものとして、主人公自身の設定を変える手法があります。

シックス・センス」では、主人公の小児精神科医が、実は既に死んでいた存在だと、映画ラストで明らかにされます。
生きていた人物が、実は死んでいたいという斬新な大どんでん返しは、大きな衝撃を生み、映画自体の大きなウリとなりました。

アヒルと鴨のコインロッカー」では、日本人だと思っていた主人公が、実はブータン人だったという大どんでん返しが特徴的です。

どちらも、ヒントとなる伏線はキチンとストーリーの中核に配置してあります。
しかし、同時に灯台下暗し的なミスディレクション演出もすることで、紙一重で真実を隠しています。

子どもの悩みは幽霊が見えてしまうことだが、主人公が一緒に解決しようとすることで、まさか当の本人が幽霊であるはずがないという隠し方。

また、ブータン人の話を他人事のように話すことで、自分はブータン人ではないという意識を観客に植え付けています。

どちらも一歩間違えれば作者の意図がバレてしまう大胆な隠し方です。
しかし、このようなギリギリの隠し方のほうが、いざ大どんでん返しでばらした時の衝撃が大きくなります。

夢や幻で大どんでん返し[パターン3]

夢オチは、観客をがっかりさせる手法です。
作品に没頭してきた観客は、全てウソでしたと言われたことと同じで、肩透かしを食らったと同じだからです。

ファイト・クラブ」は、主人公が二人いる設定に見せかけておいて、実は一人しかいなかった、もうひとりは幻だったという大どんでん返しで有名になりました。

主人公が作り出した幻覚が、もうひとりの主人公として映画に出ていたのです。
幻覚や妄想は、夢オチと似ており、「何でもあり」になりなので、観客の興味を失わせてしまいがちです。
しかし、「ファイト・クラブ」は大ヒットした映画です。
何故ヒットしたかと言うと、気弱な青年の精神的な成長というドラマ部分がしっかりしていたからだと思われます。成長を視覚的に演出する際に、幻の主人公はとても効果的に使われています。

大どんでん返し脚本に組み込む時には、ドラマ部分を重ねることがとても重要なポイントになります。
大どんでん返しは、あくまでも設定を覆して、観客にあっと言わせるテクニックに過ぎません。
ドラマを積み重ねていかなければ、大きな感動は得られないのです。

論理的な大どんでん返し[パターン4]

とはいえ、細かな嘘(伏線)の積み重ねが、最後の大どんでん返しにつながる気持ちよさもあります。

ユージュアル・サスペクツ 」では、一人の犯罪者が狂言回しとなり、警察の取り調べに自白する形でストーリーが進みます。
狂言回しが語る、大きな犯罪の裏に見え隠れする悪魔のような男、カイザーソゼ。
その恐ろしさだけが浮き彫りとなり、実体は明らかになりません。

最後の最後、違和感を覚えた刑事が、狂言回しの自白の中から伏線を回収して、スピーディにカイザーソゼの正体へとたどり着きます。

この爽快感は、パズルが組み上がった時の満足感にも似ています。
このような大どんでん返しを組み上げるには、緻密な計算が必要であり、一朝一夕には身につかないテクニックです。

ユージュアル・サスペクツはアカデミー脚本賞を受賞するほどの評価を得た映画です。
論理的な大どんでん返し作品を書きたいと考える方は、この映画を徹底的に分解して構成を勉強してもいいでしょう。

大どんでん返しのコツは一気にバラす!

大どんでん返しは、基本的に予測不能です。
なぜなら、脚本家は見せたいシーンだけを観客に見せるからです。
裏を返せば、真実は徹底的に隠します。

詐欺師の主人公を騙すための作戦会議シーンは見せないし、幽霊が見える少年は、ブルース・ウィリスが幽霊だと言いません。本当は悪くない足を、わざと引きずってみせるのも、真実を隠していることになります。

大どんでん返しテクニックをあなたの作品に取り込む時には、いちばん重要な部分を隠すとよいでしょう。
これは意外と簡単に出来るはずです。
なぜなら、あなたが書く脚本は、あなたの好きに書けるから。

大切なことは、一気にネタバレさせることです。
そして、それをできるだけ映画の最後で発表することです。

  • 実は幽霊でした
  • 実は幻覚でした
  • 実は詐欺師でした
  • 実はブータン人でした
  • 実はカイザーソゼでした

長々と説明するのは言い訳がましくてよくありません。
バラす時は一言で済むようにするのが、大どんでん返しを成功させるコツです。

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